共通テストの現代文を解いていて、「本文に書いてあることはなんとなく分かるのに、選択肢を二つまで絞ってからいつも間違えてしまう」という経験はありませんか?
あるいは、文章を読み進めるうちに、どこが大切でどこが補足なのかが分からなくなり、頭の中が情報で溢れかえってしまうことはないでしょうか。
共通テストの現代文で高得点を安定させるために最も必要なスキル。それは、文章を**「筆者の主張(言いたいこと)」と「客観的な説明(具体例や理由)」**に明確に分ける力です。
今回は、限られた時間の中で文章の骨組みを浮き彫りにし、正解を最短距離で射抜くための「主張」と「説明」の見分け方を徹底解説します。
1. なぜ「主張」と「説明」を分ける必要があるのか
共通テストの現代文は、膨大な文字数との戦いです。すべての文を同じ熱量で読んでいては、時間が足りなくなるばかりか、筆者が本当に伝えたかった核心を見失ってしまいます。
選択肢の「ひっかけ」は説明部分に作られる
共通テストの誤答選択肢の多くは、本文の「具体例(説明)」の一部を巧妙に使いつつ、筆者の「主張」とは異なる論理を作り上げています。「主張」と「説明」を区別できていない受験生は、本文にある言葉が含まれているというだけで、誤った選択肢に飛びついてしまうのです。
核心を掴めば速読が可能になる
文章の構造は、実はシンプルです。筆者が言いたい「主張」はほんの一部であり、残りの大部分はその主張を納得させるための「説明(具体例・引用・比喩)」に過ぎません。「ここは説明だな」と判断できれば、そこを素早く流し読みし、主張が現れるのを待ち構えることができます。
2. 筆者の「主張」が現れる5つのサイン
筆者が自分の意見を伝えようとするとき、文章には必ず「合図」が出ます。まずはこのサインを見逃さない練習をしましょう。
① 逆接の接続詞の直後
「しかし」「だが」「けれども」。これらの言葉の後は、主張のオンパレードです。それまでの一般論(世間ではこう言われている)を否定し、筆者独自の視点を打ち出すため、最も重要な情報が置かれます。
② 換言の接続詞の直後
「つまり」「すなわち」「要するに」。これらは、それまで長く続いてきた複雑な説明を、筆者が一言でまとめ直したものです。ここを読めば、その前の数段落分の「主張」が凝縮されています。
③ 価値判断を表す文末
「~ではないだろうか」「~と言わざるを得ない」「~が必要だ」。 客観的な事実を述べる「~である」に対し、筆者の主観や評価が入る文末表現は、主張の決定的な証拠です。
④ 疑問を投げかける「問い」への「答え」
「なぜ〇〇なのだろうか」という自問自答形式の文章では、その問いに対する「答え」の文がそのまま筆者の主張になります。問いを見つけたら、その答えを血眼になって探しましょう。
⑤ 繰り返し登場するキーワード
一つの文章の中で、表現を変えながら何度も登場する言葉や概念。これは筆者が最も強調したいテーマ(主張の核)です。
3. 「説明」の役割を理解して賢く読み流す
「説明」の部分は、主張をサポートするための材料です。以下のパターンを知っておくと、読解のスピードが劇的に上がります。
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具体例(「例えば」「具体的には」): 抽象的な主張をイメージさせるためのエピソード。主張の内容が理解できていれば、ここは細部まで読み込む必要はありません。
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引用(「〇〇氏は~と述べている」): 自分の主張に権威を持たせるための裏付け。
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譲歩(「たしかに~だが」): 反対意見に一度理解を示しつつ、自分の主張を際立たせるテクニック。「たしかに」の後は軽く流し、「だが」の後を熟読します。
4. 実践トレーニング!「主張」と「説明」の仕分け術
日々の過去問演習で取り組んでほしい、具体的なトレーニング法を紹介します。
ステップ1:二色刷りの読解
1日1段落で構いません。本文を読みながら、「主張」だと思ったところに赤線、「説明(例)」だと思ったところに青線を引いてみてください。 解説を読み、自分の線引きが合っていたか確認します。この「仕分け」の感覚を磨くことが、現代文の偏差値を上げる最短ルートです。
ステップ2:接続詞への「記号付け」
逆接には「▼」、換言には「=」、例示には「例」といった記号を文章に書き込みます。視覚的に文章の構造を把握する癖をつけると、共通テストの長い選択肢を検討する際に、本文のどこに戻れば良いかが一瞬で分かるようになります。
ステップ3:要約の「1対1」チェック
段落ごとに「一言で言うと何が主張か」をメモします。その際、「この具体例は、どの主張を補強しているのか」という1対1の対応関係を意識してください。この「論理の矢印」が見えるようになれば、共通テストの現代文はパズルのように解けるようになります。
5. 保護者の方へ:論理的な会話が「読解力」を育てる
現代文の力は、実は日常のコミュニケーション能力と深く結びついています。 保護者の方ができるサポートは、お子様との会話の中で「主張」と「説明」の区別を意識させることです。
例えば、お子様が「あの塾に行きたい」と言ったとき、「どうして?具体的に教えて」と問いかけてみてください。 「友達がいるから(説明1)」「自習室が使いやすいから(説明2)」といった、根拠を積み上げるプロセスは、まさに現代文の文章構造そのものです。 「今の話の結論(主張)は〇〇だね、理由は3つあったね」と整理してあげるだけで、お子様の脳には論理的な構造が定着していきます。
まとめ:本文を「強弱」をつけて読み解く
共通テスト現代文で高得点を取る人は、すべての文字を等しく読んでいるわけではありません。サインを見つけ、「主張」をじっくり読み、「説明」を賢く流すという、圧倒的な「強弱」をつけて読んでいます。
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接続詞や文末表現をヒントに、筆者の「主張」を特定する。
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具体例や譲歩を「説明」として峻別し、読解スピードを上げる。
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日頃から「つまり何が言いたいのか」を要約する癖をつける。
この視点を持つだけで、今まで迷路のように見えていた本文が、一本の明確な筋道として浮かび上がってきます。
次の一歩として、まずは今日解く現代文の問題で、逆接の接続詞「しかし」を見つけたら、その直後の文に二重線を引いて、そこだけを深く理解する練習から始めてみませんか?
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