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だいじなことはなにか?

中村勇太

先日、秋からの大学進学でレッスンが一旦終了になる生徒くんたちの学校での最後のコンサートに伺ってきました。

オンラインレッスンでは様々な国の学校のカリキュラムや、音楽教育のあれこれを覗かせてもらっていますが、日本以外の学生オケの演奏に触れるのは...生徒くんのいたAbingdon Schoolのオーケストラの日本公演以来。

日本の高校や大学のオーケストラも生徒さんの関係で色々見てきていますが、日本と日本以外だけではなく、イギリスとアメリカでも色々違う面もあります。

生徒くんがレッスンに持ってくる課題やライブ配信を通じて感心してきたことですが、今回伺ったASIJのオーケストラは、よりよい音楽を目指す中で、人として大事なことを主体的に学ぶということが選曲や演奏からもよくわかります。

単に合奏という授業時間を通過するだけとは違うんです。あくまでも、可能性を否定することなく、それぞれが思う音楽に向かって時にはぶつかったり妥協したり、という時間になっています。
今回、たまたま学校の先生にもご挨拶できて、大感激でした!

ライブ配信や、舞台技術、チラシ、プログラム作成まで他の学生チームで運営されているそうです。この写真からデザインまでなかなかハイレベル。

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もちろんフルオーケストラではないですし、習熟年齢からも大規模なプログラムではないのですが、楽章の抜粋だとしても「あー、濃い音楽!」というものばかりでした。

映画音楽からシューベルト、ベートーヴェン、ショスタコーヴィッチ...

我々はこんな大曲を弾いた!こんなソリストと共演した!マスゲームのようにピッタリ乱れず弾き切った!というステータスの面を感じる企画は少なくないのです。
ここの授業は違うんです。

安全を期して、先生がパートのトップに座るということもありません。
盛り上がって暴走するパートを指揮でねじ伏せることもしません。
パート同士、パート内同士、各プレイヤーの主体性で音楽になっていきます。

ガチャガチャしているとか、粗削りとか、わかりやすい上手い下手という評価はあるのかもしれませんが、「あー、ココをそう感じてるのね!」「ソコでそんな弾き方ができるのか!」というスリルとワクワクに溢れる演奏でした。

往々にして、表向きの仕上がり、どう思われるかという視点に引っ張られてしまうものですが、ありのままのパッションを体感できる時間で、大変嬉しくなりました。

〜音楽にノイローゼは要らない〜
今回の生徒くんたちは、それぞれ前のお教室でスランプ、鬱屈した状態で僕のところを訪ねてきてお稽古が始まりました。
どうしたもんやらという試行錯誤もありましたが、2人とも立派に主体的に音楽を作り上げるところまで見守れたかなと思います。

この点でいえば、それぞれの親御さんが生徒くんたちの様子を見て、丁寧な判断をされたことにも大変感心しています。
親御さんが選んだ指導者さんなので、そこの指導に疑問を感じたりすることは、親御さん自身の気持ちの面でもモヤモヤするので、多くの場合、ふとしたキッカケにも蓋をして、そのままにされてしまいがちなのです。

まぁ、自分が完璧無欠な指導者かと言われたら全くそんなことはありませんが、野村監督みたいな再生工場の指導だとは自負しています笑

表向き習熟が早い子は、たまたま生まれつきの体格や経験的に神経が向いていたり、頭の使い方、把握力、観察力などが向いていて、ある程度は勝手に育つんです。音楽への愛情とか、音楽への共感とかは感性は別としてですが。
そういう周りの子たちと比較されて(そう感じて)ノイローゼ気味になって、塞ぎ込んでしまう...僕自身経験したことです。
この問題の乗り越え方を知っているかどうかは、とても大事なことだと思っています。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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