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第13回:できる子の訂正ノートはここが違う|別解と自作問題で応用力を伸ばす

じゅんじ / John

テストが返ってきたあと,訂正ノートを作ることになりました。

平均点以上のお子さんの場合,
訂正ノートがすぐに終わってしまうことがあります。


間違えた問題が少ない。

解説を読めば,すぐに分かる。
正しい答えも,すぐに書ける。

親としては,少し安心します。

「よかった。今回はそんなに直すところが多くないね。」

子どもも言います。

「もう終わったよ。」

ここまでなら,とても良いことです。


ところが,ここで家庭学習名物,

「できる子の訂正ノート,すぐ閉じる問題」
が起こることがあります。

正しい答えを書いたら,そのままノートを閉じてしまう。


もちろん,それでも悪くはありません。


でも,平均点以上のお子さんの場合,

訂正ノートをそこで終わらせるのは,少しもったいないのです。

第11回では,訂正ノートを“写して終わり”にしない基本をお話ししました。

第12回では,間違えた問題を全部直すのではなく,点につながる問題を選ぶことをお話ししました。

では,平均点以上のお子さんは,どう使えばよいのでしょうか。


大切なのは,

直して終わりではなく,広げて終わること
です。

■ 正解を書いて終わるのは,もったいない


平均点以上のお子さんは,
間違えた問題を見直せば,すぐに理解できることが多いです。


「ああ,ここで符号を落としただけか。」

「この条件を使えばよかったのか。」
「この公式を使う問題だったのか。」

このように,自分で気づけることもあります。


それは大きな力です。


ただ,正しい答えを書いて終わるだけだと,
訂正ノートは「確認ノート」で止まってしまいます。


平均点以上のお子さんにとって,
訂正ノートはもう一歩,二歩と進められます。


それは,解き方の引き出しを増やすノートにすることです。


同じ問題でも,別の解き方はないか。

もっと短く考える方法はないか。
図で考えることはできないか。
式ではなく,言葉で説明できないか。

こうした見方を一つ加えるだけで,訂正ノートの価値は大きく変わります。


■ できる子は,正解した問題も使う


ここで大切なのは,このやり方を
「間違えた問題」だけに限らないことです。


平均点以上のお子さんの場合,
テストで答えが合っていた問題の中にも,
まだ伸ばせる材料があります。


正解はしたけれど,別の解き方でもできるのか。

答えは合っていたけれど,もっと短く考える方法はなかったのか。
たまたま合っただけで,本当に説明できるのか。
問題文のどこを見て,その解き方を選んだのかを説明できるか。

こうした問題も,見直す価値があります。


平均点以上のお子さんにとっては,
訂正ノートを「間違えた問題を直す場所」だけにしておくのは,
かなりもったいない使い方です。

間違えた問題だけでなく,正解した問題も,もう一度見直す。

ここから,訂正ノートの役割が広がっていきます。


■ 別解を書くと,応用がききやすくなる


できる子ほど,一つの解き方で満足してしまうことがあります。


もちろん,一つの解き方で正解できるのは立派です。


でも,応用問題や入試問題では,
いつも同じ入り口から解けるとは限りません。


ある問題では式で考える。

別の問題では図で考える。
さらに別の問題では,条件を言葉で整理する。

このように,いくつかの見方を持っている子どもは強いです。

訂正ノートには,正しい答えを書いたあとに,こう書いてみます。

「別の解き方はないか。」
「図で説明できるか。」
「もっと短く考えるならどうするか。」
「なぜこの解き方でよいのか。」

全部を書く必要はありません。

一つで構いません。

でも,この一つがあとで効いてきます。


別解を書くことは,ただ難しいことをするためではありません。


問題を見る角度を増やすためです。


■ 自分で似た問題を作ってみる

さらにおすすめしたいのが,自分で似た問題を作ることです。

これは,平均点以上のお子さんにはかなり効果があります。


数字だけを変えてみる。

条件を少し変えてみる。
求めるものを変えてみる。
問題と答えを逆にしてみる。
図の形を変えてみる。

こうして,自分で類題を作ります。

そして,その答えも自分で出してみます。

実際にやってみると,意外と難しいものです。


数字を適当に変えたら,答えが変な分数になる。

条件を少し変えたら,問題として成り立たなくなる。
求めるものを変えたら,急に難しくなる。

こういうことが起こります。


そこで初めて,出題者がなぜその数字を選んだのか,
なぜその条件を入れたのかが見えてきます。


問題を解く側から,問題を作る側に少し回ってみる。


これは,かなり勉強になります。


■ 出題者の目線を持つ


問題を作ってみると,解く時の見え方も変わってきます。


「この条件は,どこかで使うために入っているな。」

「この数字は,計算がきれいになるように選ばれているのかな。」
「ここで符号を間違えさせようとしているのかもしれない。」
「この言い方は,読み飛ばすと危ないな。」

このように,出題者の目線を少し持てるようになります。


ただ問題を解く時は,目の前の式や答えばかりを見がちです。


しかし,問題を作る側の視点を少し持つと,
問題文の条件や数字の選び方にも目が向きます。


すると,初めて見る問題でも
「どこを見ればよいか」が分かりやすくなります。


これは,平均点以上のお子さんが,
さらに上を目指す時にとても大切な力です。


■ 予想問題を作った経験


私の中学校では,テスト前に
班ごとに全教科の予想問題を作る取り組みがありました。

それを,みんなで解くのです。

当時は,正直なところ,
そこまで意味のあることだとは思っていませんでした。


「先生が予想問題を作る手間を省いているだけでは。」

そんなふうに思ったこともあります。

でも,“数学班”のメンバーとして
自分で問題を作ろうとすると,意外と難しいのです。


答えがきれいになるようにするには,どんな数字を選べばよいのか。

ひっかけ問題にするなら,どこに条件を入れればよいのか。
簡単すぎず,難しすぎない問題にするには,どこを調整すればよいのか。

そう考えながら作ること自体が,とても良い勉強になっていました。


今なら,その意味がよく分かります。


問題を作るには,その問題を深く理解していなければなりません。


ただ解けるだけでは,よい問題は作れません。


どこが大事なのか。

どこで間違えやすいのか。
どの条件が必要なのか。
そこまで考える必要があります。

だから,問題を作ることは,かなり深い復習になるのです。


■ ここまで来ると,「訂正ノート」では少し狭い


別解を考える。

自分で似た問題を作る。
出題者の目線で見直す。

ここまで来ると,もはや
「訂正ノート」や「間違い直しノート」という名前では,
少し狭く感じます。


間違えた問題を直すだけではなく,
正解した問題ももう一度見直し,
別解を考え,
自分で似た問題を作り,
出題者の目線で眺めてみる。


そう考えると,これはむしろ,「解き直しノート」
呼んだ方が近いかもしれません。


「間違いを消すノート」から,

「応用力を育てるノート」へ変わるのです。

■ 伸びる家庭では,「もう終わった」で終わらせない


伸びる家庭では,できる子に対しても,
ただ勉強の量を増やすだけではありません。


「もう終わったのなら,もう1問やりなさい。」

と言うだけでは,勉強が
ただの追加作業になってしまうことがあります。


大切なのは,量を増やすことではなく,見方を増やすことです。


たとえば,こう声をかけます。


「別の解き方はありそう?」

「この問題,数字を変えたらどうなる?」
「この問題を少し難しくするなら,どこを変える?」
「出題者は,どこで間違えさせようとしていると思う?」

このように聞くと,子どもは問題を少し違う角度から見始めます。


正解したかどうかだけでなく,どう考えたか。

別の見方はあるか。
次に似た問題が出たら,どこに注意するか。
そこまで考えられるようになります。

これが,平均点以上のお子さんにとっての訂正ノート。

いや,もう少し正確に言えば,解き直しノートです。

■ 今日からやるなら,1問だけ広げる


最初から全部の問題で,
別解を書いたり,自作問題を作ったりする必要はありません。

それでは大変です。

今日からやるなら,訂正ノートの中から1問だけ選んでください。

間違えた問題でも構いません。
答えは合っていたけれど,少し気になる問題でも構いません。

そして,次のうち一つだけやってみます。


別の解き方を書いてみる。

数字を変えて,似た問題を作ってみる。
問題の条件を一つ変えてみる。
出題者が狙っていそうなポイントを書いてみる。

これだけで十分です。


訂正ノートは,間違いを直すためだけのノートではありません。


できる子にとっては,考え方を広げるためのノートにもなります。


正解を書いて終わりではなく,別解を書く。

似た問題を作る。
出題者の目線を持つ。

そこまでできると,訂正ノートは復習ノートから,
応用力を育てる解き直しノートに変わります。


■ 25分体験で,広げ方を一緒に考えることもできます


実際には,

「この問題には別解があるのか。」
「どう数字を変えれば類題になるのか。」
「どこを変えると,問題としてちょうどよい難しさになるのか。」
を一人で考えるのは,意外と難しいものです。

特に平均点以上のお子さんは,
基本は分かっているからこそ,
次に何を伸ばせばよいのかが見えにくいことがあります。


25分の体験レッスンでは,
お子さんのテストやノートを一緒に見ながら,
どの問題をどう広げると応用力につながるかを整理することもできます。


全部を変える必要はありません。


まずは,「広げる価値のある1問」を見つけることから始めます。


「正解はできるけれど,応用問題になると止まる。」

「平均点は超えるけれど,そこから伸びきらない。」
「ただの解き直しで終わっていて,応用力につながっていない。」

そう感じている方は,一度,お子さんのノートを一緒に見直してみませんか。


訂正ノートは,使い方次第で,応用力を育てる解き直しノートに生まれ変わります。


家庭学習でよく起こるつまずきについて,こちらもあわせてご覧ください。


■ 訂正ノートの基本について

第11回:その「訂正ノート」,効果ありますか|“写して終わり”にしない復習法

■ 訂正ノートに入れる問題の選び方について

第12回:訂正ノートは全部直さなくていい|点につながる問題の選び方

■ やる気を消さない声かけについて

第14回:「まだやらないの?」|やろうとしていた気持ちを消してしまう声かけ
※次回公開予定

※たまに,公開前のコラムが見えてしまうことがあります。
その時は,少し早めに届いた“先行公開”だと思って,
そっと読んでいただければ幸いです。
そうした読まれ方も,コラムづくりの参考にしています。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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