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日本の映画館に登場 ブラジル発アニメーションで知るブラジルに渡った日本人の物語

Ines Tsukui


日本に住んでいると、「ブラジルに渡った日本人の歴史」について、どこか遠い話のように感じることがあるかもしれません。
 
しかし、その物語をぐっと身近に感じさせてくれる作品があります。
 
ブラジルのアニメーション映画『ニホンジン ― EU E MEU AVÔ NIHONJIN ―』が、いよいよ日本の映画館で公開されます。
本作は、受賞歴のある作家オスカー・ナガサトの小説『Nipponjin』を原作としています。
 
物語は、日本人移民の一人である稲畑秀夫の人生を軸に展開します。
彼は「ブラジルで成功し、いずれ日本に戻る」という強い思いを胸に、母を日本に残し、妻とともに海を渡りました。
 
1908年、多くの日本人移民をブラジルへと運んだ笠戸丸に乗り、彼らはサンパウロへと到着します。
しかし、そこに待っていたのは、言葉も通じず、文化もまったく異なる厳しい現実でした。
 
この作品は、移民としての苦労だけでなく、「自分は何者なのか」というアイデンティティの問題や、家族の絆、そして時代の中で揺れる価値観を丁寧に描いています。
特に、女性の立場や、戦後における日本人社会の複雑な感情にも触れており、単なる歴史物語にとどまりません。
 
実は私自身、この作品の原作者であるオスカー・ナガサト氏が来日し、日本語版の出版記念イベントに参加された際にお会いする機会がありました。
直接お話を伺えたことは、とても印象深く、忘れられない経験となりました。
この作品を通して、ブラジルに渡った日本人の歴史が、より立体的に、そして人間的に感じられるはずです。
 
そしてもう一つ大切なのは、こうした物語に触れることで、「言葉」の見え方も変わるということです。
ポルトガル語は単なる外国語ではなく、こうした歴史や人の人生を映す“手段”でもあります。
 
もしブラジルやその文化に少しでも興味があれば、ぜひ作品をきっかけに、言葉にも触れてみてください。
学ぶというより、「理解するために使う言葉」としてポルトガル語を見ると、きっとこれまでとは違った面白さが見えてきます。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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