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第2回:正負の数は,矢印で見る|たし算は,矢印をつぎたすこと

じゅんじ / John

■ 正負の数を,なぜ矢印で説明するのか

中学校で初めて学ぶ「正負の数」。

正負の数を,時間の前後や気温の上がり下がりで
説明する方法もあります。

たとえば,
3時間後を +3,
2時間前を −2
と表す考え方です。

もちろん,正の数と負の数を初めてイメージする時には,
分かりやすい説明です。

ただし,その説明だけでは,かけ算やわり算を学ぶときに,
考え方をそのまま使い続けることが難しくなります。

私は,説明の継続性を大切にしています。

新しい単元を学ぶたびに,
まったく別の考え方に切り替えるのではなく,
これまで学んだことを土台にして,
次の内容へ自然につながる説明をしたいと考えています。

そのため,私は正負の数を矢印で説明します。

矢印なら,たし算やひき算だけでなく,
この後に学ぶかけ算やわり算,
さらには,座標,ベクトルなどにも,
同じ考え方をつなげていくことができます。

なお,記事の最後に,実際のレッスンの
スクリーンショットを掲載しています。

■ +3 と −3 を矢印で表す

まず,+3 を考えます。

+3 は,0より3大きい数です。
そこで,0を矢印の始まりにして,
+3 のところに矢の先端が来るようにかきます。

つまり,+3 は,0から右に3進む矢印です。

次に,−3 を考えます。

−3 は,0より3小さい数です。
そこで,0を矢印の始まりにして,
−3 のところに矢の先端が来るようにかきます。

つまり,−3 は,0から左に3進む矢印です。

ここで大切なのは,
「プラスだから右」
「マイナスだから左」と
丸暗記することではありません。

+3 は,0より3大きいから,0から +3 へ向かう矢印。
−3 は,0より3小さいから,0から −3 へ向かう矢印。

こう考えると,正負の数の向きが自然に見えてきます。

■ たし算は,矢印をつぎたすこと

中学校で新しく習うことが,
小学校で習ったことを否定したり,
矛盾したりするようではいけません。

中学校で学ぶ内容も,小学校で学んだことを土台にして,
そこから考え方を広げていく必要があります。

そこで,まずは小学校で習った
たし算を数直線で表すとどうなるかを,
子どもに考えてもらいます。

たとえば,
3+2=5
を数直線で表すと,どうなるでしょうか。

子どもと一緒に考えていくと,
0から右に3進み,その先から,さらに右に2進む
と表せることが分かります。

つまり,3+2 は,
右向き3の矢印の先端(あたま)に,
右向き2の矢印の始まり(おしり)をつぎたすことです。

正負の数のたし算も,これと同じです。

大事なのは,たし算
今ある矢印の先端(あたま)に,
次の矢印の始まり(おしり)をつぎたすこと
と見ることです。

■ (+3)+(+2) 【正の数 たす 正の数】

まず,右向き3の矢印を原点に置きます。

その矢印のあたまに,
右向き2の矢印のおしりをつぎたします。

右へ3進み,さらに右へ2進むので,
最後の矢印の先端は +5 に着きます。

つまり,
(+3)+(+2)=+(3+2)=+5
です。

右向きの矢印に,さらに右向きの矢印をつぎたすと,
矢印はさらに右へ伸びていきます。

■ (−3)+(−2) 【負の数 たす 負の数】

まず,左向き3の矢印を原点に置きます。

その矢印のあたまに,
左向き2の矢印のおしりをつぎたします。

左へ3進んで,さらに左へ2進むので,
最後の矢印の先端は −5 に着きます。

つまり,
(−3)+(−2)=−(3+2)=−5
です。

左向きの矢印に,さらに左向きの矢印をつぎたすと,
矢印は左へ伸びていきます。

■ 同じ符号どうしのたし算

ここまでを見ると,
同じ符号どうしのたし算では,矢印の向きがそろっています。

右向きと右向きなら,さらに右へ進みます。
左向きと左向きなら,さらに左へ進みます。

つまり,向きはそのままで,
矢印の長さがたされます。

だから,
同符号の和は,
同じ符号をつけて,
絶対値の和を求める
という規則になります。

たとえば,
(+3)+(+2)=+(3+2)=+5
(−3)+(−2)=−(3+2)=−5
です。

最初に規則を覚えさせるのではなく,
矢印を見ながら考えると,
なぜこの規則になるのかが分かります。

■ (+3)+(−2) 【正の数 たす 負の数】

次に,符号が違う場合を考えます。

まず,右向き3の矢印を原点に置きます。

その矢印のあたまに,
左向き2の矢印のおしりをつぎたします。

右へ3進んだあと,左へ2戻るので,
右向きが1だけ残ります。

だから,最後の矢は +1 に着きます。

つまり,
(+3)+(−2)=+(3−2)=+1
です。

右向き3の方が,左向き2より長いので,
答えはプラスになります。

■ (−3)+(+2) 【負の数 たす 正の数】

まず,左向き3の矢印を原点に置きます。

その矢印のあたまに,
右向き2の矢印のおしりをつぎたします。

左へ3進んだあと,右へ2戻るので,
左向きが1だけ残ります。

だから,最後の矢は −1 に着きます。

つまり,
(−3)+(+2)=−(3−2)=−1
です。

左向き3の方が,右向き2より長いので,
答えはマイナスになります。

■ 違う符号どうしのたし算

符号が違うたし算では,
矢印が反対向きになります。

右向きと左向きなら,打ち消し合う。
左向きと右向きでも,打ち消し合う。

だから,最後に残るのは,
長い方の矢印の向きです。

そして,残る長さは,
2つの矢印の長さの差です。

つまり,
異符号の和は,
絶対値の大きい方の符号をつけて,
絶対値の差を求める。

ただし,絶対値が同じ場合は,
(+3)+(−3)=0
になります。

右向き3の矢印と左向き3の矢印が,
ちょうど打ち消し合うからです。

■ 規則は,理解した後に使えばよい

ここまで,矢印を使って,
正負の数のたし算がなぜその答えになるかを考えてきました。

大切なのは,毎回いつまでも
矢印を書き続けることではありません。

まずは一度,なぜその規則になるのかを理解して,
納得することです。

納得した後は,規則を覚えて使えばよいのです。

そのあとは,
毎回理由や手順を考えなくても,
すぐに答えを出せるようになるまで練習します。

■ まとめ

正負の数のたし算は,
小学校で学んだたし算と別のものではありません。

正負の数のたし算は考え方を広げただけです。

符号だけを見てルールで処理するより,
矢印をつぎたすと考えると分かりやすくなります。

+3 は,0より3大きいから,
0から +3 へ向かう右向きの矢印。

−3 は,0より3小さいから,
0から −3 へ向かう左向きの矢印。

そして,たし算では,
今ある矢印のあたまに,次の矢印のおしりをつぎたす。

これが基本です。

私は,説明の継続性を大切にしています。

小学校で学んだことを土台にして,
中学校,高校へと,
同じ考え方で学び続けられる説明を心がけています。

一人ひとりの理解の仕方に合わせて,
小学校の内容まで戻りながら説明できることは,
家庭教師ならではの強みだと考えています。

また,一度理由を理解して納得する。

その後は,規則を覚え,何度も練習する。
そして,理由や手順を一つ一つ考えなくても,
見た瞬間,手が勝手に動き始めるまで練習する。

これが,私が数学を教えるときに大切にしていることです。

■ ある日の実際のレッスン


以下は,実際のレッスンで正負の数のたし算を説明した時の画面です。

その場で書きながら説明しているため,
字はあまりきれいではありませんが,
実際のレッスンの雰囲気をご覧いただければと思います。

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This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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