「お金をどぶに捨てている感覚」になったときに考えたいこと
NISAで投資を始めると、最初は順調に増えていた資産が、ある日突然大きく下がることがあります。
評価額を見るたびにマイナス。
毎月積み立てているのに、資産が増えるどころか減っている。
まるで、どぶにお金を突っ込んでいるような気分になることもあります。
でも、長期の資産形成では、この「下落局面」とどう付き合うかがとても大切です。
私はこれまで、中小企業診断士、1級FP技能士、宅地建物取引士、ITパスポートなどの資格学習をしてきましたが、資産形成も勉強と似ています。
大事なのは、調子がいいときに頑張ることより、
苦しい局面でやめないことです。
下落時は「安くたくさん買えている」局面
積立投資では、毎月同じ金額を投資していく方が多いと思います。
たとえば、毎月3万円を投資している場合、投資信託の価格が高いときは少ない口数しか買えません。
一方、価格が下がっているときは、同じ3万円でも多くの口数を買うことができます。
つまり、下落局面は見方を変えると、
将来のために安く多く仕込んでいる時期
ともいえます。
もちろん、下がっている最中は気持ちがよいものではありません。
「また下がった」
「積み立てても意味がないのでは」
「一度売った方がいいのでは」
そう思うのは自然です。
しかし、長期で資産形成をするなら、下落局面は必ず通る道です。
金融庁も、NISAを含む資産形成では「長期・積立・分散投資」の考え方が重要であり、投資には元本割れのおそれがある一方、積立投資によって高いときだけ買ってしまうことを避けやすいと説明しています。
ズームで見ると下落、ロングショットで見ると上昇
投資で不安になるとき、多くの場合、私たちはグラフを近くで見すぎています。
1日単位で見る。
1週間単位で見る。
1か月単位で見る。
そうすると、値動きはかなり荒く見えます。
まるで、山道を車で走っているときに、目の前の急カーブだけを見ているようなものです。
その瞬間は怖いです。
でも、もっと遠くから地図を見ると、道は目的地に向かって伸びているかもしれません。
投資も同じです。
ズームで見ると下落。
ロングショットで見ると上昇。
短期では大きく下がることがあります。
しかし、世界経済や企業活動全体に長期で投資している場合、短期の下落だけで判断するのは早すぎることがあります。
もちろん、将来も必ず上がるとは言えません。
投資に絶対はありません。
ただ、NISAは本来、短期売買で利益を狙う制度というより、長期の資産形成に使いやすい制度です。金融庁もNISAについて、制度内容やメリット・デメリット、投資知識を学ぶための特設サイトを設け、長期・積立・分散投資の考え方を説明しています。
下落時に一番やってはいけないこと
下落局面で一番怖いのは、評価額が下がることそのものではありません。
本当に怖いのは、
怖くなって売ってしまい、その後の回復局面に乗れなくなること
です。
投資信託や株式市場は、上がったり下がったりを繰り返します。
下がったときに売ってしまうと、その時点で損失が確定します。
もちろん、生活資金まで投資している場合や、そもそもリスクを取りすぎている場合は見直しが必要です。
しかし、余裕資金で、長期目的で、分散された投資をしているのであれば、下落時に慌てて売らないことが大切です。
投資ではよく「握力」という言葉が使われます。
これは、値動きに振り回されずに保有し続ける力のことです。
NISAで大切なのは、銘柄を当てる力だけではありません。
むしろ、長期で続けるための握力です。
下落時に確認したい3つのこと
下落時に不安になったら、次の3つを確認するとよいです。
1. 生活費まで投資していないか
まず大前提として、生活費や近いうちに使うお金まで投資に回してはいけません。
投資は余裕資金で行うものです。
半年から1年程度の生活防衛資金を確保したうえで、長期で使わないお金を投資に回すのが基本です。
ここが崩れていると、少しの下落でも精神的に耐えにくくなります。
2. 投資先が偏りすぎていないか
一つの国、一つの業種、一つの銘柄に集中しすぎていると、値動きは大きくなります。
NISAでは、非課税というメリットに目が行きがちですが、何に投資するかはとても重要です。
金融庁も、投資対象を分散することで安定的な運用を目指す考え方を示しています。
下落時に不安が大きすぎる場合は、投資額や投資先の分散を見直すサインかもしれません。
3. そもそもの目的を忘れていないか
NISAを始めた目的は何だったでしょうか。
老後資金。
教育資金。
住宅資金。
将来の安心。
働き方の選択肢を増やすこと。
目的が10年、20年先にあるなら、今日の値動きだけで判断する必要はありません。
短期の評価額ではなく、長期の目的に合っているかを見ることが大切です。
「どぶに捨てている感覚」は、途中経過かもしれない
下落局面で積み立てを続けるのは、正直しんどいです。
毎月お金を入れているのに、評価額が減っていく。
これは精神的にはかなりきついです。
でも、積立投資では、下落時に買った口数が、将来の回復局面で効いてくることがあります。
今はどぶに捨てているように見えるお金が、実は将来の資産形成の土台になっているかもしれません。
もちろん、何でも持ち続ければよいわけではありません。
投資対象が自分の目的に合っているか、リスクを取りすぎていないかは定期的に確認すべきです。
ただし、単に「下がって怖いから売る」という判断は、長期投資では慎重に考えた方がよいです。
まとめ
NISAの下落局面では、誰でも不安になります。
評価額が下がると、毎月の積立が無駄に見えることもあります。
まるで、どぶにお金を突っ込んでいるような気持ちになることもあります。
しかし、積立投資では、下落時に安く多く買えているという面があります。
大切なのは、
ズームで見すぎないこと。
ロングショットで見ること。
握力を高くして、簡単に売らないこと。
NISAは、短期で一喜一憂するためのものではなく、長期で資産を育てるための制度です。
下落局面は、気持ちの面では苦しい時期です。
でも、長期投資家にとっては、将来のために淡々と仕込む時期でもあります。
投資で大事なのは、最高のタイミングを当てることではありません。
続けられる仕組みを作り、苦しいときに市場から降りないことです。
焦らず、慌てず、長い目で。
NISAは、ロングショットで見ていきましょう。
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