第17回:「覚えた?」で終わらせない親|白紙に再現する想起学習
「ちゃんと覚えた?」
テスト前,つい聞きたくなる言葉です。
子どもは教科書を読んでいる。ノートを見直している。問題集のまとめを眺めている。単語帳も開いている。
「覚えた?」と聞く。
子どもは,「覚えた。」「たぶん。」「大丈夫。」と答える。
でも,テストになると出てこない。これも,家庭学習あるあるです。
なぜでしょうか。
見て分かることと,何も見ずに思い出せることは違うからです。
伸びる子の親は,「覚えた?」だけで終わらせません。
「何も見ずに思い出せる?」「白紙に書き出せる?」「どこが思い出せなかった?」
と聞きます。
これは,子どもを試すためではありません。覚えたつもりを減らすためです。
■ 見ている時は,分かった気がする
教科書や問題集のまとめは,よく整理されています。全体像をつかむには,とても参考になります。
でも,それを何度も眺めているだけでは,「これは分かる気がする。」「覚えたかも。」で終わってしまうことがあります。
テストでは,教科書もノートも見られません。
大切なのは,見て分かることではなく,何も見ずに思い出せることです。
ここで役に立つのが,想起学習です。想起学習とは,簡単に言えば,見ずに思い出す練習のことです。
■ 書くことが目的ではない
「自分の手で書いて覚える」
こう聞くと,少し昔の勉強法のように感じるかもしれません。
たしかに,ただ写すだけなら,あまり効果的ではありません。
英単語を何十回も写す。教科書のまとめをそのまま写す。答えを赤で写して終わる。
これだけでは,覚えたつもりになることがあります。
大切なのは,書くことそのものではありません。自分の頭から取り出しながら書くことです。
写すために書くのではなく,思い出すために書く。
ここに意味があります。
■ まずは,A4用紙1枚にまとめる
最初に,A4のレポート用紙を1枚用意します。
できれば片面に,今回のテスト範囲の要点や大事なことをまとめます。
色ボールペンを使ってもかまいません。
赤が良い,青が良い,と細かく気にしすぎなくて大丈夫です。
自分が見やすい色。書いていて気分が上がる色。あとで見返した時に意味が分かりやすい色。
それでよいと思います。
大切なのは,色に自分なりのルールを持たせることです。
たとえば,赤字は,必ず覚えること。青字は,大事だけれど,その場で考えて導き出せばよいこと。緑字は,答案には書かないけれど,頭の中で計算したり確認したりすること。
これは,私がレッスン時に使っているルールの一例です。
色分けそのものが目的ではありません。
何を覚えるのか。何を考えて導くのか。何を頭の中で処理するのか。
そこを分けることが目的です。
社会のように,地図や時代の流れを自由に書きたい場合は,
A4のコピー用紙でもかまいません。
マインドマップのように,
自由に枝分かれさせてまとめたい場合も
罫線のないコピー用紙の方が使いやすいと思います。
■ まとめたら,白紙に再現する
まとめ用紙を作ったら,まずは眺めて覚えます。
そして,「覚えたかな。」と思っても,
すぐにワークへ進むのではありません。
次にやるのは,
白紙のコピー用紙に,作ったまとめ用紙を再現することです。
何も見ずに,思い出せるかを試します。
この時は,きれいに書く必要はありません。
色ボールペンを使う必要もありません。
ラフでいいので,思い出したことをどんどん書き出します。
最初から全部は思い出せません。
それで大丈夫です。
大切なのは,思い出せなかったところを見つけることです。
書けるところまで書いたら,元のまとめ用紙と見比べます。
そして,思い出せなかったことを,再現用紙に追記します。
すると,
何を覚えているのか。何が抜けているのか。どこがあいまいなのか。
が見えてきます。
白紙に再現する目的は,完璧に書くことではありません。
あいまいなところを見つけることです。
■ ワークは,そのあとでいい
覚えたと思ってすぐにワークをすると,
問題を解くというより,
解説を見て確認するだけになることがあります。
ワークや問題集は,
知識を入れるためだけのものではありません。
入れた知識を使えるかどうかを確認するものです。
だから,順番はこうです。
まとめる。眺めて覚える。白紙に再現する。抜けていたところを確認する。それからワークに入る。
この流れにすると,
「見たら分かる」から,
「何も見ずに思い出せる」へ変わります。
そして,そこから「テストで使える」へ進みやすくなります。
■ 伸びる子の親は,思い出せない所を責めない
白紙に書いてみると,思ったより書けないことがあります。
そこで,「ほら,覚えてないじゃない。」と言いたくなるかもしれません。
でも,伸びる子の親は,そこで責めません。
「ここがまだあいまいやったんやね。」「じゃあ,そこだけもう一回見ようか。」と,次に見る場所を一緒に確認します。
思い出せなかったところは,失敗ではありません。
次に覚える場所です。
伸びる子の親は,「覚えた?」だけで終わらせません。
「何も見ずに思い出せる?」「白紙に再現できる?」「どこがあいまいだった?」
と聞きます。
そこに,テストの点につながる家庭学習のヒントがあります。
■ 25分体験で,覚えたつもりを一緒に整理できます
「勉強したのに,テストで出てこない。」「ノートは見ているのに,点につながらない。」「覚えたつもりなのに,使えない。」
このような場合,必要なのは,
ただ勉強時間を増やすことだけではないかもしれません。
25分の体験レッスンでは,
お子さんのノート,ワーク,テストの間違え方を見ながら,
どこが覚えたつもりになっているのか。何を思い出せるようにすればよいのか。どの確認方法が合っているのか。を一緒に整理することもできます。
見て分かる勉強から,見ないで思い出せる勉強へ。そこから,家庭学習は変わり始めます。
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