日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
先日、韓国語のレッスンを受けていたとき、
先生が取り上げてくださった二つの単語に、思わず手が止まりました。
내팽개치다 と 냉팽개치다。
同じように見える言葉なのに、どうして二つあるんだろう。
そんな疑問が浮かび、あとで辞書を開いてみました。
すると、どちらも
「放り出す」「投げ捨てる」「見捨てる」
といった意味を持つ言葉として載っています。
「じゃあ、どちらを使っても同じなのかな?」
そう思ったのですが、調べていくうちに、
辞書だけでは見えてこない
韓国語の面白さに少しずつ気付かされました。
実際によく耳にするのは、내팽개치다の方。
そこで、韓国のドラマやニュースを見るたびに、
少し意識して耳を澄ませてみました。
すると、私が耳にするのは、やはり 내팽개치다 の方。
たとえば、
일을 내팽개치다(仕事を投げ出す)
책임을 내팽개치다(責任を放り出す)
그는 책임을 내팽개치고 떠났어요.
(彼は責任を放り出して去りました。)
こうした場面で耳にするのは、やはり 내팽개치다 の方です。
一方、냉팽개치다も辞書に載っている韓国語ですが、
日常会話ではあまり頻繁には登場しません。
標準国語大辞典でも、냉팽개치다は내팽개치다と
ほぼ同じ意味の語として扱われています。
そのため、「냉には『冷たい』という意味があるから、
必ず冷たく突き放すニュアンスになる」
と断定することはできません。
ただ、語形から「より冷たく突き放すような響き」
を感じる人もいるかもしれません。
ここが、言葉の面白いところです。
辞書上の意味は、ほぼ同じ。
でも、実際によく選ばれている言葉は、내팽개치다。
意味が同じでも、言葉の出番まで同じとは限らないのです。
これは日本語にもありますよね。
意味は通じる。
でも、自然とよく使う言葉と、
少し古風に感じたり、
本や小説の中で見かけることが多かったりする言葉。
韓国語にも、そんな「言葉の温度差」があります。
外国語を勉強していると、
つい「意味が分かれば十分」と思ってしまうことがあります。
もちろん、それも大切です。
でも、韓国語にたくさん触れるようになると、
もう一つ気になることが増えてきます。
「韓国では、今、どちらの言葉が選ばれているんだろう。」
そんな視点です。
辞書は、
言葉の「意味」を教えてくれます。
でも、
言葉が今日も誰かに選ばれているかどうかまでは、
教えてくれません。
それを教えてくれるのは、
ドラマだったり、
ニュースだったり、
街で交わされる何気ない会話だったり。
そうやって少しずつ、
「韓国で今、生きている言葉」
が見えてきます。
外国語を学ぶことは、
単語を増やしていくことだけではなく、
その言葉がどんな時代を歩き、
今も誰かの口から自然にこぼれているのか。
そんな"言葉の時間"に触れていくことなのかもしれません。
辞書を一冊開くだけでは、
きっと出会えない景色です。
そんなことを、この二つの単語が教えてくれました。
だから私は、こういう小さな違いに出会うたび、
韓国語がまた少し好きになります。
そんな積み重ねが、言葉を学ぶ楽しさなのかもしれません。
そして、
その面白さを、これからも、
そんな小さな発見を皆さんと一緒に
楽しんでいけたら嬉しいです ^ ^
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