日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
先日、韓国の記事を読んでいたとき、
「버킷리스트」という言葉が目に留まりました。
バケットリスト。
以前から知っていた一語でしたが、
改めてその由来や韓国での使われ方を調べ始めると、
思っていた以上に面白い世界が広がっていたのです。
そして気づきました。
この言葉は、「死ぬまでにやりたいこと」の話というより、
「今日から何を始めようか」と、
自分に問いかけてくれる言葉なのかもしれない、と。
「버킷리스트」は、
英語の Bucket List に由来する言葉です。
英語では、慣用句 kick the bucketから、
「死ぬまでにやりたいことを書き出したリスト」
という意味で使われるようになったとされています。
※なお、「kick the bucket」という慣用句そのものの語源には
複数の説があり、現在も定説はありません。
ところで、この 버킷리스트。
実は、韓国語では文字どおりには発音しません。
英語から生まれた言葉でも、韓国語として使われるようになると、
韓国語の発音規則が働き、音が自然に変化します。
外来語なのに、ちゃんと「韓国語らしい音」になる。
そんなところにも、私は韓国語の面白さを感じます。
※発音について
버킷리스트 は英語由来の外来語です。
韓国語の発音規則を当てはめると、
[버킨니스트] と発音されると考えられます。
ただし、執筆時点では、「버킷리스트」自体の標準発音を明記した
国立国語院の資料は確認できませんでした。
そのため、本コラムでは韓国語の発音規則に基づく説明として
ご紹介しています。
さらに興味深いのは、韓国での使われ方です。
もともとは「人生で一度は叶えたいこと」
という意味合いが強かった 버킷리스트 ですが、
最近では、
・여름 버킷리스트(夏にやりたいこと)
・여행 버킷리스트(旅行でしたいこと)
・올해 버킷리스트(今年やりたいこと)
のように、もっと身近で気軽な目標にも使われています。
人生を変えるような大きな夢だけではありません。
「この夏にやってみたいこと。」
「今年中に挑戦してみたいこと。」
そんな小さな願いも、自分だけのバケットリストになるのです。
私にも、韓国語に通じるバケットリストがあります。
韓国でミュージカルを観ること。
韓国の先生や友人たちと、また笑顔で会うこと。
そして、学習者の皆さんに、
「韓国語って面白い」と感じていただける
レッスンやコラムを書き続けること。
書き出してみて気づいたのは、
「夢」が増えたのではありませんでした。
「今、自分が大切にしたいもの」が、
少しはっきりしたのです。
外国語を学ぶことも、きっと同じなのだと思います。
単語や文法を覚えることはもちろん大切です。
でも、その先には、
「韓国語で誰かと笑い合いたい」
「好きな景色を自分の言葉で味わいたい」という、
一人ひとりの願いがあります。
言葉を学ぶことは、新しい表現を覚えることだけではなく、
自分の「やってみたい」を少しずつ増やしていくこと。
そして、その「やってみたい」が、
毎日を少しずつ豊かにしてくれるのだと思います。
振り返ってみると、韓国語を学び始めた日も、
初めて韓国を訪れた日も、
誰かに背中を押されたからではありませんでした。
「やってみたい。」
その小さな気持ちが、すべての始まりでした。
バケットリストは、
未来の自分に約束をするためのリストではなく、
今日の自分に問いかけるためのリストなのかもしれません。
「いつか」は、遠い未来にあるものではなく、
今日という一日の積み重ねの先にあるもの。
「버킷리스트」という一つの言葉が、
そんな当たり前だけれど大切なことを、
あらためて思い出させてくれました。
だから今日も、自分が大切にしたいものを忘れずに、
一歩ずつ歩いていこうと思います。
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