「ちゃんと宿題やった?」
「明日の準備,大丈夫?」
「テスト勉強,そろそろ始めた方がいいんじゃない?」
子どものことを思えば,
つい声をかけたくなることがあります。
忘れそうなら教える。
困っていたら手伝う。
予定が立てられなければ,一緒に考える。
もちろん,必要な時には大切なことです。
でも,勉強でも生活でも,
最終的なゴールは,
「親が助ければできる」ではなく,
「自分でできる」
ことではないでしょうか。
■ 手伝うことが悪いわけではない
最初から何でも一人でできる子はいません。
勉強の仕方が分からなければ,
やり方を教える必要があります。
計画を立てられなければ,
一緒に考えることもあります。
忘れ物が多ければ,
最初は確認してあげてもよいと思います。
大切なのは,
できるようになってきたことまで,
ずっと大人がやり続けないことです。
たとえば,
「今日は数学のワークを3ページやろう」
「次は英単語を覚えよう」
「明日の準備もしておこう」
と毎日親が決めていれば,
その日はうまく進むかもしれません。
でも,親が言わなくなった途端に止まってしまうなら,
まだ「自分でできる」状態にはなっていません。
■ 少しずつ,親の仕事を減らしていく
私はレッスンでも,
最初はかなり具体的に伝えることがあります。
「今日はここをやろう」
「この問題をもう一度解こう」
「次までにここまでやってみよう」
でも,ずっと同じではありません。
慣れてきたら,
「今日は何をやりたい?」
「どこを復習した方がいいと思う?」
「次までに何をやっておく?」
と,本人に考えてもらいます。
最初は,
「分からない」
「別にない」
と言うこともあります。
それでも,少し待ちます。
こちらがすぐに答えを出してしまうと,
本人が考える機会まで取ってしまうからです。
まず本人の考えを聞く。
必要なら,こちらが方向を示す。
私はこの順番を大切にしています。
■ 「できること」を奪わない
子どもがやるより,
大人がやった方が早いことはたくさんあります。
予定を立てる。
教材を準備する。
先生に連絡する。
必要なプリントを送る。
でも,できるようになってきたことまで
ずっと大人が先回りしてしまうと,
「自分でやる」練習が減ってしまいます。
高校生になれば,
教材を準備したり,
必要なものを送ったりすることも,
少しずつ本人に任せてよいと思います。私は,高校生のレッスンで,
保護者の方が毎回教材を準備したり,
必要なページを送ってくださっている場合,
「そろそろ本人にしてもらってもいいですよ」
とお伝えすることがあります。
最初は忘れることもあります。
うまく送れないこともあります。
でも,そういう小さな経験を重ねることで,
「自分で準備する」「自分で伝える」ことが
少しずつ当たり前になっていきます。
その小さな失敗も,
自分でできるようになるための経験です。
■ ここで,伸びる子の親あるあるです
伸びる子の親は,
何でもしてあげる親でも,
何もしない親でもありません。
今は手伝う。
できるようになったら,一歩下がる。
その距離の取り方を,
少しずつ変えています。
「任せる」と「放っておく」は違います。
見ている。
必要なら助ける。
でも,できることまでは奪わない。
このバランスが大切なのだと思います。
■ 第21~25回で考えてきたこと
第21回では,
「始める力」について考えました。
第22回では,
「自分で回す力」。
第23回では,
「立て直す力」。
第24回では,
「続ける力」を取り上げました。
一見すると,
それぞれ別の力のように見えます。
でも,どれも最後は
同じところにつながっています。
親や先生に動かしてもらうのではなく,
自分で考え,自分で動けるようになることです。
始める。
自分で回す。
うまくいかなければ立て直す。
そして,続ける。
その積み重ねの先にあるのが,
「自分でできる」
ということなのだと思います。
勉強の本当のゴールは,
今日の宿題を終わらせることだけではありません。
親や先生がそばにいなくても,
必要なことを自分で考え,
自分で動けるようになることです。
だから私は,
「今できたか」だけでなく,
「次は,一人でできそうか」
を見るようにしています。
伸びる子の親は,
今日の点数や宿題だけを見ているのではありません。
少しずつ手を離しても,
自分で進められるようになること。
それが,
この「宿題・勉強習慣」のシリーズで
お伝えしたかったことです。
次回からは,「テスト勉強と点数の見方」
シリーズが始まります。
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