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忘れられない本の登場人物|失敗しても,見捨てられなかった人

今週のテーマ: 忘れられない本の登場人物

じゅんじ / John

勇気があるのに,怖がりでもある。
自信に満ちているのに,大きな失敗もする。
 
そんな人間らしい人物が,聖書に登場します。
イエス・キリストの弟子のペテロです。
 
■ 勇気も,弱さもある人
 
ある夜,ペテロは湖の上を歩くイエスを見て,自分も舟から降りました。
聖書には,ペテロが水の上を歩き始めたものの,強い風を怖がって沈みかけたと記されています。
助けを求めると,イエスはすぐに手を伸ばしました。
 
私は,沈みかけたことよりも,まず舟から出る勇気があったことに目が向きます。
また,困った時に助けを求めたことも,ペテロの良いところだと思います。
 
一方,ペテロは,イエスを決して見捨てないと断言しながら,危険が迫ると,イエスを知らないと3度も言ってしまいました。
その後,自分のしたことに気づき,激しく泣きました。
 
あれほど自信があったのに。
あれほど大切に思っていたのに。
 
思っていた通りに行動できなかったのです。
 
聖書は,ペテロの勇気だけでなく,弱さや後悔も隠さず描いています。
だからこそ,私は彼に親しみを感じます。
 
■ 失敗だけで,人を判断しない
 
私が特に心を動かされるのは,その後の出来事です。
聖書には,イエスがペテロに再び大切な役割を任せる場面が描かれています。
ペテロの失敗は,なかったことにされたわけではありません。
でも,その失敗だけで,彼の将来が決まったわけでもありませんでした。
 
その後,ペテロは多くの人に語りかけ,仲間を励まし,支える人物になりました。
かつて恐れのあまりイエスを知らないと言った人が,今度は人前で勇気を持って語るようになったのです。
 
私は,この変化にも心を動かされます。
人は,失敗した後にも成長できる。

そして,その成長には,周囲の人の接し方も大きく関わっているのではないでしょうか。
 
■ 失敗した人に,どう接するか
 
ペテロの物語を読むたびに,私は考えます。
人は失敗した時,周囲からどのように接してもらえたら,再び前を向けるだろうか。

失敗を責めるだけでも,見過ごすだけでも,成長の機会を逃してしまうかもしれません。
大切なのは,失敗を受け止めながら,次に進めるよう助けることだと思います。
 
これは,遠い昔の物語に限った話ではありません。
私自身,家庭教師として生徒さんと接する時にも,このことを意識するようにしています。
 
■ 家庭教師として大切にしたいこと
 
生徒さんが問題を間違えた時,私はできるだけ,
「どうして,そう考えたの?」
と尋ねるようにしています。
その答えに,つまずいている場所を見つけるヒントがあるからです。
 
もちろん,ペテロの失敗と数学の間違いは同じではありません。
 
でも,今できないからといって,これからもできないと決めつける必要はありません。
 
家庭学習が足りなければ,そのことも率直に伝えます。
 
大切なのは,間違いの原因を理解し,次にどうすればよいのかを一緒に考えることです。
そうした積み重ねが,自分で問題を解く力につながると考えています。
 
■ 私がペテロを忘れられない理由
 
私がペテロに魅力を感じるのは,勇気があったからだけではありません。
失敗したからでもありません。
自分の弱さと向き合い,その後も成長していったからです。
 
そして,そんなペテロを見限らなかったイエスの接し方も,心に残っています。
一度の失敗で,人の可能性がなくなるわけではありません。
ペテロは失敗しました。でも,それで終わりではありませんでした。
私も,生徒さんの一度の失敗で,その可能性を決めつける先生にはなりたくありません。
 
※今回取り上げた出来事は,聖書のマタイ14章,ルカ22章,ヨハネ21章,使徒2章などに記されています。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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