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Cafetalk Tutor's Column

Juno.Tokyo 講師的專欄

満ちたりない思いを変えた一杯のカプチーノ

2021年10月16日

こんにちは。講師のジュノです。
読書 + 創作クラブの会員を募集しています!
好きな本について語り、企画書を準備して、手作りのebook出版を目指すクラブです。
普段は主に英語の指導をしていますが、創作も学び始めて6年目です。
創作を指導、と言うよりは、私が習って来たことをシェアします!

例えば、創作ではこのような作品を書きます。
満ちたりない思いを変えた一杯のカプチーノ
 最近、何をしても満ちたりなかった。食べても、食べてもおなか一杯にならない。寝ても、寝ても十分に眠った気になれない。頑張っても、頑張っても、足りていないような気がする。連れ合いと話しても話し足りないし、笑っても笑い足りないし、何をしても足りていない。欲求不満、というよりは欲求が底なしになってしまったかのようだった。節度のない欲求ほど手に負えないものはない。
 これはまずい、と思いながらも毎日をそれとなく送っていて、英会話の生徒さんたちが英検に合格したのでお祝いに喫茶店で珈琲でも、というか、私たちの経済状況から、珈琲だけだよ、ということになった。スペシャルな喫茶店での珈琲ですか。キラキラキラ!私たちは神保町へ向かった。珈琲一杯飲みに行くのに地下鉄にちょこっと乗る。そこのところがスペシャル感を増していた。冨山房FOLIOに行くことになった。連れ合いの神保町でのお気に入りらしい。
 わたしは学生時代、フランスの映画が大好きだった。ヒロインはカフェの上のアパルトマンに住んでいて、朝は珈琲を飲むシーンが好きだった。神保町は本屋さんと喫茶店の天国で、私は神保町に住みたかったのかもしれないと、雨の降る中、街を歩きながらフランス映画を回想していた。
 さぼうる、ジャズ喫茶、ドトール。喫茶店が軒並みマッシュルームのように本屋さんの間に、こちらにもあちらにも、あった。一つの傘の下、手をつないで私たちは冨山房FOLIOについた。そういえば、数年以上前に、冨山房の社長さんとお話しする機会があったな。確かご近所に住まわれているお話だったっけなぁ。ご縁ですねぇ、と思い出しながら階段を地下へと下っていく。
 確か、時間は午後2時を少し超えていたくらいだったのだけれど、地下の、広い四角い間取りは落ち着いていて、もう、夜も遅い時間であるかのように感じられた。ジャズの低い音が心地よく響いた。連れ合いはアイスコーヒーを、私はカプチーノを頼んだ。コーヒーショップよりは時間をかけて私たちの飲み物が運ばれてきた。アイスコーヒーは見たそのものだったけど、私のカプチーノはいい意味で期待を裏切ってくれた。
 まず、シナモンスティックが運ばれてきた。ああ、これで混ぜるのね。次にワイングラスとリキュールグラスの合いの子のような形のグラスに、珈琲と泡立ったミルク、クリームが注がれていた。第一印象は、え?アイス?アイスのカプチーノ?違うのです。耐熱グラスだったのね。とっても熱い飲み物でした。まあ、カプチーノを透明の器で見るのは初めてだったから軽く興奮しました。
 カプチーノって、エスプレッソに泡立てたミルク、なんだけど、ウインナー珈琲みたいに生クリームのホイップも浮かんでいて、果物の香りもする。オレンジピールだ!チョコレートの香りもする。すこし削って入れてあったのだろう。ともかくカクテルみたいに手の込んだカプチーノで、私はそのようなカプチーノは初めてだった。それでお値段700円よ。どれだけ良心的なのでしょう、冨山房FOLIO。なんだか美味しいお酒を飲んだ後みたいな、心地いい気持ちになれて、いやー、あのカプチーノは美味しかった、と三日間くらいは言い続けた。
 主婦の醍醐味かもしれない。1000円前後でスペシャルな食べ物、飲み物を見つけ出すこと。千疋屋の丸ごと果汁と果実のグレープフルーツゼリー、果実園のホームランスターメロンに、冨山房FOLIOのカプチーノは仲間入りですな。カパカパ食べたり飲んだりしたら、スペシャルじゃなくなる。年に一度は楽しみたいな、と思うものに出会えると、無節操な欲求も引き潮のように引いていくのです。節制があるからこそのスペシャルなのだよとリマインドしてくれるから。そうして折り合いをつけていくのが、人生なのかもしれない。
 まだ人生についてあまり知らないけれど。そんな気持ちがした。私は大丈夫。そんな気持ちもしている。

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