受験勉強において、小論文や記述式問題は、ただ答えを知っているだけでは高得点を取るのが難しい分野です。
特に高校受験や大学受験の小論文では、説得力のある文章を書く力が求められます。
説得力のある文章を書くには、単に自分の意見を述べるだけでなく、論理的な展開が不可欠です。
本記事では、説得力のある文章を書くための論理展開のコツをわかりやすく解説し、実際にどのように練習すればよいのかも紹介します。
1. 論理展開とは何か?
まず、論理展開とは、文章の中で自分の意見や主張を筋道立てて読者に伝えることです。
読者が「なるほど、そうだ」と納得できる文章を書くには、以下のような要素が必要です:
(1) 主張を明確にする
自分が何を伝えたいのかを一文で簡潔に表すことが重要です。
たとえば、「インターネットの普及は社会にプラスの影響を与える」という主張を中心に据える場合、この意見が文章全体の軸となります。
(2) 理由を述べる
主張を裏付けるためには、理由が必要です。
たとえば、「情報共有が迅速化したため、ビジネスの効率が上がった」といった具体的な理由を挙げます。
(3) 具体例を使う
読者を納得させるためには、具体的な事例を挙げると効果的です。
たとえば、「コロナ禍ではリモートワークが増加し、インターネットの重要性が再認識された」という具体例を挙げれば、理由がより説得力を持ちます。
2. 説得力のある文章を書くための基本構造
説得力のある文章を書くためには、以下の基本構造を意識すると効果的です:
(1) 序論:主張を明確に述べる
最初の段落では、読者に自分の主張を明確に伝えます。
たとえば、「学校での制服の導入は、生徒の集中力を高める効果がある」と最初に述べます。
(2) 本論:理由と具体例を述べる
本論では、主張を裏付けるための理由と具体例を展開します。
以下のように段階的に述べるとわかりやすくなります:
- 理由1:制服は服装選びの時間を節約する
- 具体例:自由服の学校では、毎朝何を着るか迷い、時間が浪費されるとの調査結果がある
- 理由2:統一感が生まれることで学校生活がスムーズになる
- 具体例:特定のブランドの服を持っていない生徒が孤立する問題が減少する
(3) 結論:主張を再確認する
最後の段落では、主張を簡潔に繰り返し述べます。
「以上の理由から、学校での制服導入は多くのメリットがあり、生徒にとって有益であると言えます」と締めくくります。
3. 論理展開の具体的なコツ
説得力のある文章を書くために、以下の具体的なコツを意識しましょう。
(1) PREP法を活用する
PREP法とは、以下の4つのステップで文章を構成する方法です:
- P(Point):結論を述べる
- R(Reason):理由を述べる
- E(Example):具体例を挙げる
- P(Point):結論を再確認する
たとえば、次のような文章が考えられます:
- Point:「読書は子どもの思考力を高める」
- Reason:「読書を通じて多様な価値観に触れることができるため」
- Example:「たとえば、海外文学を読むことで異文化理解が深まり、多角的な視点が身につく」
- Point:「したがって、読書は思考力を鍛える重要な手段である」
(2) 逆説や反論を取り入れる
自分の主張に反する意見を取り上げ、それに対する反論を述べることで説得力が増します。
たとえば、「自由な服装は個性を伸ばす」との意見に対し、「しかし、個性は服装以外の場面で表現できる」と反論します。
(3) 簡潔で明瞭な表現を心がける
長すぎる文章や専門用語の多用は読者の理解を妨げます。
シンプルで明確な表現を使い、伝えたいことを端的に述べましょう。
(4) 接続詞を適切に使う
論理の流れをスムーズにするために接続詞を効果的に使います:
- 理由を示す:「なぜなら」「そのため」
- 追加の説明:「さらに」「加えて」
- 反論を述べる:「しかし」「一方で」
(5) 読者を意識する
受験小論文では採点者が読者です。
採点者が「この意見には根拠があり、納得できる」と感じられるように、客観的なデータや事実を盛り込みましょう。
4. 論理展開力を鍛える練習方法
説得力のある文章を書く力は、練習によって向上します。
以下の方法を試してみてください:
(1) 新聞やコラムを読む
新聞やコラムは論理展開がしっかりしているため、参考になります。
筆者がどのように主張を述べ、理由や具体例を挙げているかを分析しましょう。
(2) 自分の意見を日記に書く
日々のニュースや学校での出来事について、自分の意見を簡潔に書いてみましょう。
「なぜそう思うのか」「どのような具体例があるのか」を意識することがポイントです。
(3) 過去問で練習する
受験小論文の過去問を使って、実際の問題形式で練習しましょう。
練習後は、必ず第三者に添削してもらうことをおすすめします。
(4) 書いた文章を声に出して読む
書いた文章を音読することで、論理の流れがスムーズかどうかを確認できます。
自分で読んでわかりにくい部分は、修正が必要な箇所です。
まとめ
説得力のある文章を書くためには、論理展開を意識し、読者が納得しやすい構造で文章を組み立てることが重要です。
主張・理由・具体例を軸に、PREP法や反論を取り入れることで、文章の説得力が格段に向上します。
受験勉強において、小論文の練習は面倒に感じるかもしれませんが、論理的な文章を書く力は社会に出ても大きな武器となります。
ぜひ本記事を参考に、日々の練習を続けてください!
コメント (0)