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I was a bocchi.69 先生ごめん、僕は止まれない!

Keisuke.H

両親、先生、塾講師。
僕の周りの大人たちは全員「敵軍」だった。
口を揃えて「勉強しろ!」と言うだけで、やる気を削ぐ才能に満ちていた。
そんな中、僕は謎の反抗心を燃やし、
部屋に隔離されようが居残りさせられようが、
勉強を放棄することに全力を尽くしていた。
 
高校受験が迫るとクラス全体に緊張感が漂い始めたが、
僕と愉快な仲間たちはそれとは無縁。
「雪上ビーチフラッグス」や「雪中自転車軍」、
ショウゴの家での無限ゲーム大会に興じながら、
中学最後の冬を全力で楽しんでいた。
周囲からは「地元トップの進学校を目指す宇宙人」に見えていただろう。
 
そんな僕に一番手を焼いていたのがオイクボだ。
特に、中学最後のテストで過去最低の14位を叩き出した時のこと。
内申点が既に送られていると知っていた僕は「努力するだけ無駄」と思い、
完全に手を抜いた。これが先生を本気で怒らせたようだ。
 
通常なら二者面談と三者面談で進学先を決めるが、
僕だけは学年主任のナカオを加えた四者面談に発展。
「◯◯高校は無理だぞ!」と言われる度に、
「じゃあ△△高校にします」「いや、それも無理だ!」と続き、堂々巡り。
僕の成績で△△高校を落ちるわけがないし、
何より母の母校なので避けたかった。
だからこそ「◯◯高校を受験します」と言い張り、折れなかった。
 
その日からオイクボ先生の管理が厳しくなった。
「ケイスケ、昨日は何時間勉強した?」と毎日聞かれる日々。
最初の1週間は仕方なく従ったが、
すぐに飽きて「何もしていません」と宣言。
先生は渾身の溜め息をつき、
「お前、どうしようもないな」と呆れ返った様子で、ついに匙を投げた。
その瞬間、僕の監視は終了し、晴れて「自由の身」となった。
こうして誰にも邪魔されることなく、
中学最後の冬を心ゆくまで満喫することができた。
最初から僕を止めるなんて、不可能だったのだ。

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本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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