最近読んだ本に非常に感銘を受けたので本の紹介をしたいと思います。
『THE ALGEBRA OF WEALTH 一生「お金」を吸い寄せる 富の方程式』
スコット・ギャロウェイ (著), 児島 修 (翻訳) ダイヤモンド社
ISBN: 978-4478120996
『富の方程式』というタイトルですが、単に投資やお金の増やし方について書かれた本ではなく、「お金と人生」に関する重要な教訓を与えてくれる本だと思います。私の解釈では、この本の中心のメッセージは、「愛する人を守るために、得意なことを活かせる仕事に就き、真摯に仕事に取り組むことで人格を磨き、節制して資産を築く必要がある」ということだと思います。
以下の5つのポイントがあると思います。また、読む人によってはもっと他の重要な教訓が得られるかもしれませんが、私はこの堅実なアドバイスに感銘を受けましたので、共有したいと思います。
(1) 愛する人を守るためにお金を稼ぐ
(2) 得意なことを活かして仕事をする
(3) 一生懸命仕事に取り組む
(4) 仕事をすることで人格を磨く
(5) 節制して貯金する
1. 理想を追うよりも日々の業務
私は日本語を教える仕事が好きで、日本語や日本語教育について長年研究してきたことから、少し理想論的すぎるところがあるのかもしれません。私がこれまで出会った教育機関は、理想的な日本語教育あるいは留学生教育が行える場所であるとはお世辞にも言えませんでした。いつも問題や矛盾を抱え、「これでは留学生の利益にならない」「なぜ変えられないんだろう?」と悩んできました。しかし、実際に留学生の力になれるのは、問題を抱えたままであってもその教育機関で教え続け、留学生に接し続けるからです。
2. 自分と自分の愛する人を守るためには資産が必要
この本の最後に著者がお母様を自宅で看取ったエピソードが出てきます。仕事を休んで、お母様を看病することができるのは経済的に自立しているからで、そのためにこれまで長い間成功を追い求めてきたのだと理解したと書かれていました。
経済的に困窮している状態では、自分自身を守ることもできないし、愛する人も守れません。だからまずは、人が報酬を払ってくれる仕事に懸命に取り組まなければならない。このシンプルな事実に気づかされました。
3. 仕事に懸命に取り組むことで人格が磨かれる
私は教室で学生たちを教える仕事には間違いなく一生懸命になれるのですが、この本によれば、それだけでは十分ではないようです。組織内で上手く立ち回ること、上の立場の人に気に入られること、不条理をある程度受け入れることもスキルなのだとか。これらは着実に富の形成に役立つので、未来永劫それを続ける必要はないが、経済基盤を築くまでは必要なスキルとして身につける必要があると勧められています。大人の意見だなあ。
外国語を学ぶのが好きで、日本語を外国語として学んでいる人たちの役に立てるようになりたい、そう思って大学院で日本語教育を学ぼうと決心した日には、自分自身の経済的自立について十分に考えられていませんでした。そもそも経済的には不利な選択だったかもしれません。
ただ、幸いなことに日本語教育を必要とする人がいて、その人たちに教える仕事に従事できています。このことに感謝して、懸命に仕事に取り組もうと思います。そして、もっと人格を磨いて、理想論を振りかざすのではなくて、実際に大切な人を守れる大人になりたいと思います。
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