ショパコン入賞者ガラコンサートに行ってきました。
今回の演奏会では、スタインウェイが2台使用され、前半のソロと後半のコンツェルトで入れ替えられていました。
それぞれのピアニストの感想を私なりにここに記しますが、その前に一つお伝えしたいことは、コンクールのライヴ配信をご覧になっていた方は、彼らの演奏は、ほぼその時の印象と同じと思っていただければ宜しいかと存じます。誰かの意見や感想、コンクールの順位ではなく、あなただけの感性を信じてお気に入りのピアニストを今後も応援しましょう。
今回の演奏会でも彼らはコンクールの時ぐらいの本気度を発揮した演奏を披露してくださいました。本当に素晴らしかったです。
以下、演奏順です。
・ウィリアム・ヤン(6位)/ノクターン17番
私は彼の演奏を配信ではあまり観ていなかったので、今回初めてしっかり聴きました。トップバッターから度肝を抜かれる素晴らしい演奏でした。美しい音色が涙腺をゆるませ、繊細なタッチとどこまでも温かな彼の音楽は、とても素晴らしかったです。
・ビォトル・アレクセヴィチ(5位・聴衆賞)/ワルツ5番
ツアーの疲れが溜まっている様子(SNSでも本人が言ってました‥)ではありましたが、さすがのポーランド人らしさが漲る素晴らしいワルツ!華やかで繊細、王道のワルツ感の中にもしっかりとした彼の音楽的表現があり、心躍らせてくれる演奏でした。
・ヴィンセント・オン(5位)/4つのマズルカOp.41
小柄の割に大きな手で奏でる厚みのある低音の音色が印象的でした。彼が伝えたい音楽がしっかり伝わってくる演奏で、良い意味で個性が際立つ彼の演奏は、今後もファンが増えていくでしょう。
・ワン・ズートン(3位・ソナタ賞)/幻想曲op.49
私は配信の時から彼女の演奏が個人的に好きでしたが、演奏会でも期待を裏切らず素晴らしい演奏を披露してくれました。私は彼女の間の取り方や歌い方が好きで、こういうことは、自分が教える立場で思うのですが、教えたところで生徒がすんなり出来るわけではなく(ある程度は真似する程度に出来ますが)、これは本人の生まれ持った”センス”だなと思うのです。今回も大曲を見事に披露してくれました。とても素晴らしかったです。
・エリック・ルー(1位)/ワルツ7番・バラード4番
以前から彼のファンですが、彼の舟歌やバラ4は特に好きな演奏なので、生でバラ4を聴けてとても幸せでした。そして、今回の演奏は、それはもう見事でした!優勝者だからという贔屓目を抜きにしても、別格でした。一音一音にショパンの魂が宿っているような、これぞショパン!という世界へどっぷりと浸らせてくれる、そんな演奏で、本当にお見事。彼にしか出来ない演奏です。当然のことながら涙腺ゆるみまくりでした。アンコールでは、シューマンのトロイメライを弾いてくれました。
—休憩—
・桑原志織(4位)/コンツェルト1番
配信でも伝わってきた彼女のスケールの大きな演奏は、まさにそのまま!音色も厚みがあって、ダイナミックさの中にも全てを包み込んでくれるような温かさがありました。とても素晴らしかったです。
—休憩—
・ケヴィン・チェン(2位)/コンツェルト1番
配信で聴いていた時は"どの曲もそつなくこなす"イメージが強かったのですが、生で聴くと彼の音色はとてもクリアで、特に2楽章では、オケの音も自然と耳に入ってくるバランスの良さを感じました。そして、過去の優勝者に例えると、ブルース・リウのような疾走感もあるし、チョ・ソンジンのような正確なテクニックの中にもそれのみに偏らず、極めて自然に流れる美しい音楽性があり、それらは聴衆にとって、大変心地が良いということ。
そして、アンコールで弾いてくれたワルツの1番も、けして飾りすぎず、シンプルな中にもしっかりとした彼のセンスを感じさせるショパンの音楽がありました。
大変素晴らしい演奏でした。
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コンクールで弾きこんでいるだけあって、皆さんがそれぞれに一つ一つの曲を深く勉強し、理解していることが伝わってくる素晴らしい演奏会でした。それから、ワルシャワフィルも素晴らしかったです。すごく感動しましたし、ピアニストそれぞれの良さがあって、それを一度に堪能できるなんて、とても贅沢な夜でした。
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