英単語も文法も、人一倍勉強してきた。
それなのに、いざ話そうとすると言葉が詰まってしまう。
そんなもどかしさを、ずっと抱えていませんか?
よく「とにかく場数を踏めば話せるようになる」と言われます。
もちろんそれも一理あります。
でも、どれだけ練習しても、なかなか手応えが掴めない方もいらっしゃいます。
たとえば、フランス人がイタリア語を学ぶなら、そのアドバイスはある程度は正解かもしれません。
もともと言葉の仕組み(OS)が比較的近いので、少し練習すれば、持っている知識がそのまま「使える言葉」として流れ出しやすいからです。
もちろん、英語話者が日本語を身につけることにも、大きな負荷はあります。
ただ、日本語話者が英語を話そうとするときには、
「日本語で受け取ったものを、その場で英語へ組み替える」
という負荷が、特に起こりやすいように感じます。
状況や空気を一度に受け取る日本語から、まず主語と動詞をはっきり置いていく英語へ。
この「全く違う仕組み」を自分の中に新しく作り上げるのは、想像以上に大きな負荷がかかる作業なのです。
そんな私たちが「とにかく話そう」とするとき、頭の中では何が起きているのでしょうか。
一言で言うと、
「その場で文を組み立ててから、やっと外に出している」
という状態です。
最初はスムーズに滑り出せても、途中でプツンと止まってしまう。
頭の中だけがフル回転して、話したあとにどっと疲れる。
これは、無意識のうちに「日本語を英語に変換する作業」を一生懸命やっている証拠です。
リアルタイムで翻訳をしたり、以前覚えたフレーズを必死に思い出したり……。
あるいは、瞬間英作文などで何度も練習して、“速く出せる文”は増えているのに、
どこか「自分の言葉ではない」感じがしたり、
その場の空気から少し浮いてしまったり。
これでは、純粋に「会話」を楽しんでいるというより、
「頭の中で高速の翻訳作業」をしている
のに近いかもしれません。
そして、そうやって懸命にひねり出した英語が、
その場の状況やニュアンスから、どこか浮いてしまっていることさえあります。
あんなに苦労したのに、どこかズレている。
この感覚、思い当たる方も多いのではないでしょうか。
さらに、日本語だけで生活してきた大人が、いきなり高密度のイマージョン環境に入ったとしても、
実は、思われているほど効率よく吸収できるとは限りません。
音や表現を大量に浴びても、それを受け取るための「英語側の仕組み」がまだ十分育っていないと、
・なんとなく聞いて終わる
・場面で覚える
・雰囲気で処理する
・部分的な暗記になる
という状態になりやすいからです。
まして、「なんとなく英語環境に触れる」程度の密度だけで変えようとすると、なおさら難しくなります。
大切なのは、話す量を増やすことよりも、
「言葉が立ち上がるまでの仕組み」そのものを整えてあげること
です。
もしかすると、今あなたが苦しいのは、「練習が足りないから」ではないかもしれません。
出口にたどり着く手前で、毎回、文をゼロからつくり直しているからではないでしょうか。
ここが少しずつほぐれてくると、
英語は「必死に考えて出すもの」から、
「ふっと自然に出てくるもの」
に変わっていきます。
そのとき、同じ「話す」という行為が、今までとはまったく違う、もっと自由なものに感じられるはずです。
プロフィール
英語講師のNaoです。日本育ちのまま英語を習得し、TOEIC990点取得(複数回)。20年以上、膨大な数の学習者を指導しながら、「なぜ話せないのか」「何が効くのか」を観察し続けてきた結果たどり着いたのが、処理構造そのものを整えるというアプローチです。私のレッスンの目的は、英語を自立して吸収できる土台を作ることです。その土台が整ったとき、英語は先生なしでも育ち続けるものになります。そこまでお連れすることを、使命としています。
このテーマについて、少しずつ続きを書いていく予定です。
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「写真:夫撮影」
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