何千という質問を受けてきて、確信していることがあります。
質問が上手な学習者は、例外なく伸びるということです。
難しい質問をすることではありません。
鋭い質問をすることでもありません。
私の定義はこうです。
- 教師は「意図」を推理しながら答えている
引き出しの中には、膨大な知識と経験が詰まっています。
そして同時に「伝え方」のプロでもありますから、質問を受けた瞬間、頭の中ではこんなことが起きています。
- 「わかりやすく話すには?」——答えは無限にある
「わかりやすく話すためには、何をすればいいですか?」
という質問。
授業で本当によく受ける質問です。
なぜなら、学習者の背景が一人ひとりまるで違うからです。
話の組み立てが苦手な人であれば、「結論から話す訓練をしてください」になります。
声が小さくて伝わらない人なら、発声の話をするでしょう。
医者が症状を聞かずに薬を出せないのと同じで、教師も背景を知らなければ、学習者に効く答えを出せないのです。
背景がわからなければ、教師は一般論を答えるしかありません。
一般論は、間違ってはいませんが、あなたに刺さるとは限りません。
- 処方箋を変えるのは「背景」の一言
答えはシンプルです。
質問と一緒に、その背景を伝えること。これに尽きます。
あとはプロとして、具体的な練習方法をいくらでもお渡しできます。
背景というたった一文が、一般論を「あなた専用の処方箋」に変えるのです。
- 教師は、あなたが思っている以上にあなたを知らない
その最大の理由は、自分が抱えている課題の前提を、教師は思っている以上に把握していないからです。
「言わなくても察してくれるだろう」は、残念ながら通用しないのです。
背景まできちんと伝えられる学習者に対して、プロは喜んで、持てる知識の中から最も的確な一手を差し出します。
むしろ、そういう質問をされると嬉しいのです。
「この人のために、本気の答えを出せる」と腕が鳴るからです。
- 最後に
あなたの背景を語ってください。
教師は、あなたの成長を心から願っています。
その願いに応える最高の材料が、あなたの語る「背景」なのです。
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