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JLPT 対策:日本語の接続詞の種類と意味〔順接〕

2017年11月12日

日本語講師のKenです。講師コラムでは、お伝え切れないJLPT対策の接続詞の解説を書きたいと思います。1回目の今回は、「順接【じゅん・せつ】」についてです。
 
まず、接続詞について、復習しましょう、接続詞とは、「つながっている2つの文章【ぶん・しょう】や語句【ご・く】の相互の関係を示すものです。
 
1.順接の意味
 
  前の事がらが原因や理由となり、あとの事がらが結果や結論になることを示すもの
 
2.名称と種類
 
  「 だから 」、「 それで 」、「 そのため 」、「 そこで 」、「 したがって」、
 
「 ゆえに 」、「 それゆえに 」、「 すると 」、「 それなら 」、「 それでは 」.
 
3.使われる接続詞名と使い方
 
 1)だから:文と文を接続します。
 
  a)使い方:前で述べた内容を根拠(理由)として強調し「思った」・「考えた」内容を述べる場合
  b)具体例
 
   a.遅刻しそうなんです。だから、急いで下さい。b.自衛隊は国家公務員だ。だから、国家の為に働いている。c.最近、終身雇用が崩壊してきた。だから、転職する人が多くなった。d.秋刀魚はいまが旬です。だからおいしいですよ。e.夜道は見通しが悪くて大変危険です。だから、自転車のライトは必ずつけるようにして下さい。
 
 2)それで:原因と理由を表す接続詞です。
 
  a)使い方:文と文を接続し、後の文に来るのは、事実で判断や命令、依頼、意思などは使えません。前の事がらの結果を理由として、その結果に対する客観的な事実を述べます。また、会話などにおいて、相手が言った前の事がらを理由として、その結果について相手に質問する場合に使われます。
 
  b)具体例
 
   a.最近、タバコを止めました。それで健康になりました。b.先月、彼女とたくさん携帯電話で話したので携帯の通話料がたくさんかかりました。それで節約をしています。c.あの先生はとてもこわいといううわさだ。それでみんなあの先生の前では静かになる。d.「友達と喧嘩【けん・か】しました。「それで君はどうするつもりなの。」e.「昨日、英語の抜き打ちテストがあったよ。」「それで出来具合はどうだったの。」f.「すると、熊が現れたのです。」「それであなたたちはどうしたのですか。」
 
 3)そのため:理由の意味を表す接続詞です。
 
  a)使い方:文と文を接続し、後の文に来るのは、事実で判断や命令、依頼、意思などは使えません。前の事がらの結果を理由として、その結果に対する客観的な事実を述べます。また、前の文の内容を、後ろの文の内容の起こった原因として強調します。
 
  b)具体例
 
   a.今年は天気がよく、そのため、ボーナスがかなり上がった。b.日本は国内にエネルギー資源がありません。そのため、原子力エネルギーの活用を重視しています。c.最近運動不足です。そのため、自転車通勤をしています。d.明日、重要な会議があります。そのため、今日は会社に泊まって会議のための資料を作成するつもりです。
 
 4)そこで:理由の意味をもつ接続詞です。
 
  a)使い方:句と句、文と文を接続し、前の「場面・状況」に対する「意思的行動」を述べます。後ろの文は動詞文になります。
 
  b)具体例
 
   a.約束の時間まで30分あった。そこで、コンビニに入ることにした。b.突然携帯がなった。そこで、電話に出るために店の外へ出た。c.会議の終わりまであまり時間がない。そこで、結論を急ごう。
 
 5)したがって、ゆえに、それゆえに
 
  a)使い方:「したがって」と「ゆえに」は、句と句、文と文を接続します。「それゆえに」は、文と文を接続します。「それえゆえに」の”それ”は、前の文を指します。原因・結果を表す文語的表現で、原因と結果のうち原因から導き出される結果を強調します。数学・哲学・論文などで使われ、書き言葉で硬い表現です。「したがって」は、考えた結果当然であるという場合に使われます。「ゆえに」は考えるまでもなく当然であるという場合に使われます。
 
  b)具体例
 
   a.我思う。ゆえに我あり。b.三角形ABCは2つの辺が等しい。したがって二等辺三角形である。c.角形ABCは2つの辺が等しい。ゆえに二等辺三角形である。d.横綱であるゆえに負けることは許されない。e.日本は可算が多い。したがって地震も多い。f.内閣不信任案が可決されました。したがって、内閣総辞職または解散総選挙が行われます。g.昔は下級武士の身分に生まれたがゆえに、能力があっても重要な職務につけなかった武士が多かった。h.日本は、島国である。それゆえに、大陸の文化の影響を受けつつも、日本独自の文化が大きく発展していった。
 
 6)すると
 
  a)使い方:「すると」は、文と文を接続し、前で述べた出来事が起きたあとに、その結果としてある出来事がすぐに起きる場合に使われます。また、前で述べた内容の根拠【こん・きょ:理由や原因】として簡単に考えられる事実を述べる場合に使われます。
 
  b)具体例
 
   a.雷が近くに落ちて、すごい音が鳴った。すると、子どもが泣き出した。b.(にほんのむかしばなし)モモ太郎はサルにきびだんごをあげました。すると、サルはなかまになりました。c.野良猫に向って「ニャー」と鳴いてみた。すると、猫も「ニャー」と鳴いた。
 
 7)それなら、それでは
 
  a)使い方:「それなら、それでは」は、文と文を接続します。前の文で述べた内容に対し、話し手の頭の中にすぐに浮かんだ意見や判断を述べる場合に使われます。「それなら」は、口語的でやわらかい言い方で、「それでは」はあらたまった言い方です。話し言葉の上では、「だったら」という表現になることもあります。
 
  b)具体例
 
   a.妻「今晩はあなたの好きな焼肉よ。」夫「それなら、早く帰るよ。」、A「田中さんが転勤されるそうです。」B「それなら送別会をしなければなりませんね。」店員「このサイズはいかがでしたか。」客「少し小さかったです。」店員「それなら、ワンサイズ大き目のものをご試着してみてください。」
順接は、以上です。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。Ken
 

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