いつも強気の私だが、この世には怖いものもある。
流石に無敵ではない。
今日は平穏な昔話をしよう。
小学生の頃、私は貧乏だと思ったことはなかったが、
実際には裕福ではなかったらしい。
月末は湯豆腐や納豆巻きなどの低価格の料理が続いた。
湯豆腐は鱈の切り身が入っていると嬉しかった。
納豆巻きより干瓢巻きの方がランクが上だった。
修学旅行が近くなると両親は家族にテーブルマナーを覚えさせようとした。
その一つがトマトステーキである。
クックパッドに載っているような洒落たものではなかった。
大きめの皿にトマトが丸ごと1つ。
生のままそして皮付き。それに中濃ソースをかける。
ナイフとフォークが渡され、
私と妹と弟の不満とともに始まるトマトとの格闘。
私はトマトは苦手ではないが、この食べ方はどうも好きになれなかった。
ナイフは右手、フォークは左手。
皮付きのトマトはよく滑ったのを覚えている。
時は過ぎて、大学1年生の頃。
初めての自炊。
今まで料理の手伝いをサボってきたツケが回ってきた。
何をどう料理すれば良いのか全くわからない!
まず、ご飯が上手く炊けない。
分量を変えても変えても固かったり柔らかかったりする。
食べられるが美味しくない。
バランス良い食生活をしようと、カップ麺やインスタント麺は禁止。
スーパーで野菜や肉を中心に買った。
そんなにこまめにスーパーに行けないので大量購入をする。
さて、起きることは何か。
冷蔵庫での在庫未消化である。
切れる消費期限、腐る野菜。増える生ゴミ。
農家の方々、本当に申し訳ない。
トマトをよく腐らせていた。
今ならトマトとモッツァレラチーズとオリーブオイル、
塩コショウでカプレーゼを作れるが、
当時は脳内レシピが空、ネットで検索なんて考えなかった。
将来一人暮らしをするなら料理スキルは少しでも磨いた方が良い。
慣れてないと相当苦労する。
以上がトマトに纏わる悲しい思い出である。
食べ物は消費期限内に美味しく食べよう。