映像翻訳は通訳者の仕事です。
「翻訳」という言葉に惑わされて想像つかないかもしれません。
一般的に「翻訳」とは文字を扱う商売で、
「通訳」といういのは音を扱う商売です。
映像っていうのは文字が介在しない音の世界なので、通訳者の仕事になる訳です。
映像翻訳っていうと映画とかドラマが思い浮かぶと思いますが、
実際に映画の仕事をしている人は、いまや基本的にそれ専門の人になっています。
イタリア語字幕翻訳には一名大御所がいらっしゃいまして、
その門下生の方々が「イタリア映画祭」などで上映される映画の字幕をなさっています。
では、完全に通訳者の仕事となる映像翻訳って何か?
というと、テレビ関係の映像になるんです。
旅番組
グルメ番組
バラエティー番組
スポーツ大会放送
ニュース素材
これらが通訳者がやる映像翻訳。
なんでかっていうとぉ〜、
映画やドラマっていうのは基本的に台本がセットで翻訳者の手元にくるのです。
だから、完全に「音」だけの世界とも違うのですよね。
むろん、聴こえない方がやっているとは思っていません。
が、仮に100%聴き取れなかったとしても台本があるのでOK。
逆に、字幕作業というのは台本が手元にないとできない仕事です。
昔、CS放送黎明期に当時のイタリア人気番組の字幕翻訳をやっていたのですが、
テレビ番組は台本がないので、、、
ぜ〜んぶ書き起こして! そこから箱書きという作業をやって、
ストップウォッチでタイムを取って、字幕翻訳をするという苦行でした、、、(T T)
これについては「通訳のお仕事」というか「字幕翻訳のお仕事」になるので別の機会に。
一方でテレビ番組の映像には台本がありませんから耳が勝負。
音が拾えなければ訳せません。
だから通訳者の職場になるわけです。
関東キー局
BS番組
CS番組
がお客さま。
映像翻訳専門のエージェントもあります!
映像を見ながらPCを打って訳を文字にしていくので、タイピングのスピードも必要です。
10秒以内程度に切れるように訳文を書き、
かつその訳文がどこに相当するのか分かるように秒単位でコードを拾ってあげないといけない。
これが時間がかかるんですよね〜(汗
でもって、私の生徒さんはもう耳タコだと思いますけどw
イタリア語っていうのは基本切れ目が少ない!
だからタイムコードを入れて渡しても切りどころが分からないw
なので編集に立ち会って「はいここ!!」と切りどころを指示するのも業務の一環。
ちょっと特殊な業務かな?
昔は「ARIさん、今から○○テレビにいかれますか?」という電話がかかってきて、
体が空いていればテレビ局に駆けつけ映像を見ながら訳していくという具合でした。
今は「今から映像を送ります」というのが多くなったな〜♪
こっちの方が楽ちん♪
不思議で仕方ないのですが、翻訳依頼をものすごくギリギリに回すんですよね〜、みなさん。
だからめちゃくちゃ急がされるんですよー。
ニュース素材なら分かるんだけど、他の番組なんてもっと前もって依頼してくれればいいのにさー。
そして、ああいう業界の方々っていうのは一般人の生活時間の感覚がないので、
あらかじめ言っておかないととんでもない時間まで拘束される、、、
「朝の情報番組なんで、、、」と夜明け近くまで仕事させられ
タクシー券をもらって帰宅なんて、ざらです。
遠くに住んでると難しいよね(汗
同率一位で酷かったのが某国営放送wで、
終わり時間も何も聞かされずに行ったところ、
深夜2時くらいになったところで(あ、こういうのは普通です)、
「じゃあ、今夜は近くのホテルを取りましたので、
明日7時にまた来てください」
って普通に言われて驚愕ww
これは結構衝撃的でしたw
もう一つは夜の9時に某お台場のテレビ局に入り、
「映像くるまで待機でお願いします」と言われて、
結局映像が来なくて解放されたのが12時間後の午前9時ww
こんな世界です、結構辛い。
だって、何もやることがないのに寝て待つ訳に行かないんですもんw
あ!
ヨハネパウロ2世が亡くなった時は早朝4時半頃に電話がきて呼び出された!w
若かったから乗り切れた!w
もうムリ。
実際、映像翻訳エージェントから電話があっても、出ないようにしている私です。
悪いな〜、とは思うけど、そうすることで若い人に仕事が回るから良いよね!?
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