バイオリンを楽しむヒント〜受身が大事

中村勇太

中学高校の頃、男女、クラスを問わず柔道が必修でした。
最初の授業で教わったのが「受身」です。
なぜかというと、怪我をしないためです。
そのまま受け止めると怪我や痛みになってしまうエネルギーを上手に逃す、発散するようなことです。
これが、本当に不思議なもので、達人の受身は「パーンッ」と清々しい音が鳴ります。

ヴァイオリンで楽器を鳴らせない、響かない、ノイズがすると言う場合、
エネルギーのコントロールに問題があります。(楽器のセッティングや調整の問題は省きます)

楽器の重み、弓の重み、指の重み、腕の重み、頭の重み…
いろんな重みを「受身」で感じることが大事だと思います。

もしも、受身ではなく、力ずくで挟む、押さえる、押し付ける、などの動作をすれば
振動が感じられない=コントロール以前の問題になりますし、身体にも痛みが出てきます。

ほとんどのことは、日常生活で感じることができる物理の原則と同じことです。

・弓の重みのバランスの変化(弓のどこが弦に載っているか)が右手の指でわかる。
・左鎖骨に楽器が載った重みがわかる。
・左手に楽器のネックが載った重みがわかる。
・弓が弦に載った重みが左手でわかる。
・右腕の重みが弓と弦を通して左手でわかる。
・ダウンの時に摩擦で楽器が右に引っ張られるのがわかる。
 アップの時に楽器が左に押し上げられるのがわかる。
 
構えの段階を大雑把に書き出すだでも重力と摩擦を感じるポイントがこんなにあります。
怪我防止だけではなく、音を出すプロセスをより繊細に、
細かい目盛りで感じ取ってより良い鳴らし方を突き詰めていきたいものです。

专栏文章仅代表作者个人观点,不代表咖啡滔客的立场。

回应 (0)

登录之后,添加评论 登录 »
Premium ribbon

来自:

住在:

授课种类

讲师会的语言

日语   母语程度

讲师专栏排行榜

  • 小提琴

    しわシワ皺

    ヴァイオリンは歳をとると皺ができます。(量産品でもいいニスを利用しているとできるようです) ニスは何度も塗り重ねられているので、それぞれのニスが湿度や温度で伸び縮みして皺になります。 これをニス...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8702
    2015年 2月 26日
  • 小提琴

    早朝夜中の練習方法

    ヴァイオリンは音域が高いため、どうしても近隣の耳に障ってしまいがち。 チェロは音域が低いので意外や意外、近所、隣室に聞こえにくいです。 サイレントヴァイオリンや、胴がないミュートヴァイオリンもあ...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8479
    2015年 9月 3日
  • 小提琴

    才能ってなんだろう?

    児童館の0歳時サークルや子ども園の子育て支援のコンサートでよく尋ねられます。 楽器に向き不向きはありますか?楽器の習い事(稽古事)はどう選ぶんですか?、何歳から始めますか?才能は関係ありますか? ...

    中村勇太

    中村勇太

    1
    8418
    2015年 3月 9日
  • 小提琴

    もしも魂柱が倒れたら

    弦交換の時に全弦を緩めるのはもってのほかですが、駒が歪んでいたり、駒の脚が曲がっていたりすると案外倒れてしまうもの。 日頃の調弦後の角度チェック、夏の除湿剤は欠かせません。 駒が倒れた時、そのシ...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8190
    2015年 10月 20日
« 返回讲师专栏的一览表

在线客服咨询