バイオリンを楽しむヒント〜アクセント再考

中村勇太

ヴァイオリンの初歩の教材では、開放弦の四分音符から始まり、段々と音価による弓の配分などの都合を学んだり、スラー、スタッカートなどの導入に進んでいきます。
そういったものの中にある「アクセント」。
はじめに「アクセントはこうだ!」と信じて、アクセントが単一化されがちです。
とりあえず、強くはっきり、歯切れ良く!
アクセントについて習うと、こう考えがちではないでしょうか?

アクセントをどう処理するか、アクセントを音に具現化する技術とは?

当たり前のようですが、アクセントとはなんぞや、を最初に考えたいです。

そもそもアクセントとは??

言語にもアクセントがあるように、音楽にもアクセントがあります。
身近な単語でアクセントを変えてみてください。
意味が変わったりしますし、なんでそんなに怒ったように言うの?というやりとりの問題が起こります。

景色ではどうでしょうか?
例えば、白いお部屋、白い家具の中に赤いカーテンがある。
このとき、その部屋の中でのアクセントはカーテンですね。

日々の洋服でも、さし色とか、あると思います。
モノトーンコーデだとどっちがどっちかわからないこともありますが…

次に、ではなぜアクセントがあるのか。

真っ白なお部屋に真っ白なカーテン...それはそれで無難ですが、変化ない景色です。
振り切れた弛緩か、振り切れた緊張、ただの無、のいずれかでしょう。

アクセントは時代、作曲家、曲の中の場面場面で様々な用いられ方をします。

擬似的に拍節をズラすためだったり、流れの中で音のベクトルを変えるためだったり、すべてを挙げることはできません。覚えておきたい補足事項としては、トリルはアクセントの役割を持ち、ヴィヴラートのご先祖様でもあるということです。
同じ記号だから、表現の手段が同じとは言えません。

紙を切る時に、ハサミを使うのか、カッターを使うのか、手で切るのか、物差しでやるのか…似たようなことだと思います。

多くの人が陥りがちなのは、強拍、主音、あるいはスラーの原則をなおざりにして、それら以外の箇所についたアクセントに目が行きがちなことです。
印刷されたインクの中でどの情報が優先されるのか、この作曲家のこの作品のココのアクセントはどう言うものか、をイメージしてから方法論がついてくると考えています。

专栏文章仅代表作者个人观点,不代表咖啡滔客的立场。

回应 (0)

登录之后,添加评论 登录 »
Premium ribbon

来自:

住在:

授课种类

讲师会的语言

日语   母语程度

讲师专栏排行榜

  • 小提琴

    しわシワ皺

    ヴァイオリンは歳をとると皺ができます。(量産品でもいいニスを利用しているとできるようです) ニスは何度も塗り重ねられているので、それぞれのニスが湿度や温度で伸び縮みして皺になります。 これをニス...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8688
    2015年 2月 26日
  • 小提琴

    早朝夜中の練習方法

    ヴァイオリンは音域が高いため、どうしても近隣の耳に障ってしまいがち。 チェロは音域が低いので意外や意外、近所、隣室に聞こえにくいです。 サイレントヴァイオリンや、胴がないミュートヴァイオリンもあ...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8467
    2015年 9月 3日
  • 小提琴

    才能ってなんだろう?

    児童館の0歳時サークルや子ども園の子育て支援のコンサートでよく尋ねられます。 楽器に向き不向きはありますか?楽器の習い事(稽古事)はどう選ぶんですか?、何歳から始めますか?才能は関係ありますか? ...

    中村勇太

    中村勇太

    1
    8409
    2015年 3月 9日
  • 小提琴

    もしも魂柱が倒れたら

    弦交換の時に全弦を緩めるのはもってのほかですが、駒が歪んでいたり、駒の脚が曲がっていたりすると案外倒れてしまうもの。 日頃の調弦後の角度チェック、夏の除湿剤は欠かせません。 駒が倒れた時、そのシ...

    中村勇太

    中村勇太

    0
    8177
    2015年 10月 20日
« 返回讲师专栏的一览表

在线客服咨询