先日、仕事で茨城県(いばらきけん)の神栖市(かみすし)へ行きました。
その時に泊(と)まったホテルで「ひな祭り」のイベントが催(もよお)されていたのですが、あまりに多い「ひな人形」の数に圧倒(あっとう)され、思わずカメラを向けました。
他の場所にも大量のひな人形が飾られていて、これを見たときの私の感想は「うわぁ、すごい!こんなにたくさんのひな人形、初めて見た」でした。(*1)
その後もしばらく見ていると、後ろから二人の見知らぬ若者がやってきて、こう言いました。「エグ!え?マジ?エッグ!」。
その後もしばらく見ていると、後ろから二人の見知らぬ若者がやってきて、こう言いました。「エグ!え?マジ?エッグ!」。
私は思わず「卵か!」とツッコミそうになったのですが、それは一旦(いったん)置いておいて。。
「えぐい」という言葉は、若者言葉として口語(話し言葉)でよく使われます。良い意味では「すごい」「すばらしい」、悪い意味では「ひどい」「ありえない」など、場面(ばめん)によって使い分けられます。(*2)
「えぐい」という言葉は、若者言葉として口語(話し言葉)でよく使われます。良い意味では「すごい」「すばらしい」、悪い意味では「ひどい」「ありえない」など、場面(ばめん)によって使い分けられます。(*2)
きっとその若者は「すごい」という意味で使ったと思いますが、それでも、伝統的文化のひな人形に対して(確かに極端に数が多いものの)、「エグい」という最近の言葉がふさわしいのかどうかと、脳裏(のうり)をよぎりました。
しかし考えてみれば、ひな人形は女の子の健(すこ)やかな成長や幸せを願うためのもの。
だとすれば、私よりずっと若い彼らが発した「エグい」は、自然な表現として当然であり、むしろ違和感(いわかん)を感じた私が、単に歳(とし)を取っただけだと思い直しました。
やはり「言葉は生きている」のだと、リアルに感じた瞬間(しゅんかん)でした。
ちなみに、ひな祭りのイベントがあるのなら、端午の節句(5月5日)のイベントもあるのかと調べたところ、ちゃんとありました。去年は館内(かんない)に約50匹の「鯉のぼり」が飾(かざ)られたそうです。(*3)
今年はさらに多くの鯉のぼりが飾られるのでしょうか。
そうなると、このひな人形も含(ふく)めて、もはや「エグい」よりも最上級(さいじょうきゅう)の「エグち」の方がふさわしいのではないかと、妄想(もうそう)してしまいました。今度知り合いの若者に聞いてみたいと思います。
<今日の日本語>
① 脳裏(のうり)をよぎる
何らかの考えが頭の中に浮かんだり、嫌な予感などがすること。似たような表現に「頭をよぎる」もある。
② エグち
「エグさのレベルがちがう」の略で「エグち」。 他と比べて桁違(けたちが)いだという最上級(さいじょうきゅう)をあらわす。2022年のギャル流行語大賞で第2位となった。
似たような使い方としてレべチ(レベルがちがう/ちがいすぎる)もある。
<関連記事>
(*3) こどもの日前に ホテルに約50匹のこいのぼり 茨城 神栖 (NHK News Web)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20230425/1070020673.html
似たような使い方としてレべチ(レベルがちがう/ちがいすぎる)もある。
<関連記事>
(*1) セントラル”ひな祭り”(鹿島セントラルホテル)
(*2) 「えぐい」とはどういう意味? 使い方と具体的な例文を紹介 (Domani)
(*3) こどもの日前に ホテルに約50匹のこいのぼり 茨城 神栖 (NHK News Web)
https://www3.nhk.or.jp/lnews/mito/20230425/1070020673.html
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