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Cafetalk Tutor's Column

Rubrica di Keisuke.H

I was a bocchi.③

Mar 23, 2024

私は一人ぼっちだった。
団地の公園は子どもたちで賑わっていたが、
知らない人と積極的に友達になれるほど明るくなかった。
 
幼稚園に入ってようやく一人友だちができた。
ナカミチ君だ。
彼も団地の住人で、家が近くよく遊びに行った。
 
私もナカミチ君もファミコンを持っていたので、
一緒にゲームをした。
ただ、私はゲームが下手だった。
ナカミチ君はとてもゲームが上手かったので、
クリアできないステージを変わりにやってもらった。
ずっとナカミチ君の上手い操作に見入っていた。
私は見るのが好きだったから喧嘩にはならなかった。
 
スタートボタンを一回押すと中断されるゲームが多い中、
押し続けないと再開してしまうゲームがあった。
私の手に負えない難しいステージを簡単に攻略するナカミチ君。
突然、
「トイレ行ってくるからスタートボタンを押しててね」
と言いコントローラーを私に渡すと、
テレビの前から消えた。
私がゲームを続けたら一瞬で死んでしまうので、
スタートボタンを押し続けた。
ナカミチ君はなかなか戻らなかった。
どうすることもできずにコントローラーを眺めていた。
 
「幼稚園のアルバムに『僕と友だちになってくれてありがとう』と書かれていたよ」
と母に言われた。
彼も友達が少なかったのかもしれない。
いつも2人で一緒に弁当を食べていたらしい。
そんな彼は転勤族だったのだろうか。
小学校のときに転校した。

ナカミチ君を送る会のとき。
私は悲しくて泣いた。涙がポロポロ落ちた。
ナカミチ君の顔を見ることができなかった。
ようやく泣き止んでナカミチ君を見ると、
彼は笑顔を浮かべていた。
 
私にはそれが理解できなかった。
余計悲しくなって更に泣いた。

This column was published by the author in their personal capacity.
The opinions expressed in this column are the author's own and do not reflect the view of Cafetalk.

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