日本人の友達からよく聞かれる質問がある。
「韓国語で“どういたしまして”って、なんて言うの?」
毎回この質問をされるたびに、ちょっと迷ってしまう。なぜなら、韓国語にそのピッタリな言葉が……ないのだ。
もちろん辞書を引けば「천만에요」とか「별말씀을요」なんていう、いかにも立派なフレーズが出てくる。けれど実際に日常会話でそんな言葉を口にする人は、ほぼ絶滅危惧種レベル!もし友達が突然「천만에요」と言ったら、「え?時代劇のオーディションでも受けるの?」と突っ込みたくなる。
韓国語でよく使うのは、
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괜찮아요(ケンチャナヨ)
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아니에요(アニエヨ)
など。でもどれも「どういたしまして」をそのまま直訳した感じではない。
괜찮아요は「大丈夫です/問題ありません」という意味で、場面によっては「気にしないでね」と言うニュアンスに近い。
아니에요は「違いますよ/なんでもないです」と、自分の行動を控えめに否定するイメージ。
つまり韓国では、「ありがとう」に対して「どういたしまして」と一言で返す文化はあまりなく、むしろ「大丈夫」「気にしないで」という感覚で返すことが多いのだ。
「どういたしまして」を言いたい気持ちはあるけれど、韓国では軽く流すのが礼儀。
まあ、そこは文化の小さな冒険だと思えばいい。
郷に入れば郷に従え、その土地の口癖をも楽しんでしまうのがいいかもしれない。
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