日本語・韓国語講師の Hayoung_Eikoです ^ ^
もうすぐ韓国では、秋夕(추석)を迎えます。
2026年の秋夕当日は、9月25日(金)。
24日(木)から26日(土)までが秋夕の祝日で、
27日(日)まで含めると、今年は実質4連休になります。
秋夕が近づくと、韓国のニュースに
必ずといっていいほど登場するのが、
高速道路を埋め尽くす車の列。
この光景は、韓国で
「민족 대이동(民族大移動)」
と呼ばれています。
そして、渋滞情報とともによく聞こえてくるのが、
귀성길と귀경길
です。
どちらも「帰る道」のようですが、同じ道ではありません。
違うのは、その先にある「帰る場所」です。
◆ ───────────────── ◆
「帰る」が二つに分かれる
秋夕を家族と過ごすために、故郷へ向かう道は、
귀성길
といいます。
귀성(歸省)は、故郷へ帰って両親を訪ねること。
そこに「道」を意味する길がついています。
귀성길 정체가 시작됐습니다.
帰省ラッシュによる渋滞が始まりました。
では、秋夕を終えて、普段暮らしている都市へ戻る道は?
こちらは、
귀경길
です。
귀경(歸京)は、都へ帰ることを意味します。
つまり、
故郷へ向かう道 → 귀성길
都市へ戻る道 → 귀경길
となります。
오후부터 귀경길이 많이 막힐 것 같아요.
午後からUターンの道がかなり混みそうです。
日本語では、どちらも「帰る」と表せます。
けれども韓国語では、故郷へ向かうのか、
今の暮らしがある場所へ戻るのかによって、
道の名前まで変わります。
故郷も、今暮らしている場所も「帰る場所」。
귀성길と귀경길という二つの言葉には、
そんな人々の往復まで映っているようです。
◆ ───────────────── ◆
けれど、道に出ない人もいる
秋夕といえば、家族に会うために故郷へ帰るもの。
以前は、そんなイメージがとても強くありました。
けれども今は、誰もが귀성길に出るわけではありません。
仕事の都合で帰れない人もいれば、
長時間の移動や渋滞を避けたい人もいます。
旅行へ出かけたり、
自宅でゆっくり過ごしたりする人もいるでしょう。
そんなふうに、
一人で名節を過ごす人を表す言葉が、
「혼명족」です。
これは、
혼자(一人で)の혼
+명절(名節)の명
+족(族)
を組み合わせた新造語です。
秋夕に限っていう場合には、
「혼추족」
という言葉も使われるそうです。
こちらは、
혼자(一人で)の혼と
추석(秋夕)の추を組み合わせたもの。
故郷へ帰らず、自分の好きな場所で秋夕を過ごす人たちにも、
いつの間にか名前がついていたのですね。
◆ ───────────────── ◆
韓国語に増えた「혼○○」
韓国語には、혼자の最初の文字を取った
「혼」から始まる言葉がたくさんあります。
혼밥
혼자+밥
一人でご飯を食べること
혼술
혼자+술
一人でお酒を飲むこと
혼영
혼자+영화
一人で映画を見ること
오늘은 혼밥하고 혼영도 했어요.
今日は一人でご飯を食べて、一人で映画も見ました。
ここでの「一人」は、
必ずしも寂しさを表しているわけではありません。
誰にも時間を合わせず、好きなものを食べ、
見たかった映画を見て、気楽に過ごす。
혼명족も、「一人になってしまった人」というより、
自分に合った名節の過ごし方を選ぶ人と考えると、
今の感覚に近いのかもしれません。
◆ ───────────────── ◆
秋夕の味は、街の「떡집」で
そして、秋夕といえば忘れられないのが、
송편(ソンピョン)
です。
米粉の生地にゴマや豆、栗などの餡を入れて作る、
秋夕を代表するお餅です。
추석에는 가족들과 함께 송편을 만들어요.
秋夕には家族と一緒にソンピョンを作ります。
家族みんなで송편を作り、一緒に食べる。
これは、昔ながらの秋夕を象徴する風景の一つです。
ただ、今もすべての家庭で手作りしているわけではありません。
韓国の街中には、お餅を専門に売る、
떡집(お餅屋さん)
があります。
秋夕が近づくと、そこで송편を買うこともできます。
家族で作る송편もあれば、お餅屋さんで選ぶ송편もある。
一人で過ごす秋夕なら、
自分が食べたい分だけ買って楽しむこともできます。
혼밥はしても、송편はしっかり食べる。
そんな秋夕も、なかなかよさそうです^^
◆ ───────────────── ◆
故郷へ向かう귀성길。
日常へ戻る귀경길。
そして、どちらの道にも出ず、自分の場所で過ごす혼명족。
秋夕にまつわる言葉を見ていると、
昔ながらの風景を残しながら、
人々の過ごし方が少しずつ広がっていることに気づきます。
帰る人も、出かける人も、家でゆっくりする人も。
それぞれの場所で송편を一口食べれば、
そこから今年の秋夕が始まるのかもしれませんね ^ ^
Comments (0)