ちょっと、お困りの方が多いので、弦の交換方法をご紹介します。
これも人によって流儀があるようですが、いろんな楽器店や職人さんから教わった要素でまとめてあるので間違いではないと思います。
今回は右から2番目A線です。(*重要*弦交換は1本ずつ!!)
1.万が一のためにテールピースの下にハンカチやクロスを敷きます。
2.ペグを自分側にゆっくり回し抜くようにして弦を緩めて抜き取ります(単に回すと折れます)。
テールピースから外す時も慎重に。
3.手垢や汗で汚れている指板を磨きます。
4.4B~6Bくらいの柔らかい芯の鉛筆で駒の溝を塗ります。(弦の摩擦や駒の溝の傷みを軽減)
5.上ナットの溝にも駒と同じく弦を滑らせるために石鹸を塗ります。(鉛筆や蝋でもOK。どれを使うかは好みです)
6.ペグコンポジションを塗ります。差し込む時に穴と擦れるので予め塗る位置を工夫することが大切です。硬いタイプは少なめ、柔らかいタイプは多めです。映像では柔らかいものです。
(ペグとペグ穴は木なので湿度が高い=穴が小さくなり、ペグは太くなる→動かない。乾燥している=穴が大きくなり、ペグは細くなる→緩んでしまう。これを緩和します。音が悪くなるという方もいますが、日本の気候では必須です。*注意*子供用のバイオリンでは穴とペグがぴったりしていないので塗りすぎると止まりません。)
7.テールピースに玉を留め、ペグの穴に弦を差し込みます。穴から5mmは出しておきたいですが、この加減でペグの傾きが調弦しにくくなることもあるので、慣れたらよく考えましょう。
*注意*向かって右側のA線,E線はペグからとびだした弦より左に1~2周して、次に右側で最後まで巻きます。D,Gはその逆です。なるべく上ナットに対してまっすぐ弦がおりてくるようにすると、ほつれにくいです。
8.楽器を抱えて、弦を弾きながら、もう片方の手でペグを巻き上げていきます。巻き上げながら押し込むのが大切です。一旦とめてペグを動かす時、一回少し緩めて(ぬきとるように自分側に回す)から巻き直し、巻きながら押し込むことが大切です。
9.弦の張力が 上ナット~駒 と 駒~テールピース で釣り合うように後者のほうを少しつまみ上げます。
10.弦を巻き上げた摩擦で駒がお辞儀をするように傾いてしまいます。多くの場合駒は直角三角形なのでテールピース側が90度か確認します。(調弦の都度しましょう)
傾いているときは、本当に集中して!!膝の上に楽器を置き、直します。
これは失敗すると駒が倒れ、弦が指板をたたき、魂柱が倒れ、テールピースが表板にぶつかり・・・と散々なことになるので、不器用な人は慣れた人に任せましょう。
10.余った鉛筆や石鹸、ペグコンポジションの汚れをとる。
11.古い弦は金属磨きで汚れを落としておいて予備に取っておきます。
伸びているので、本番中に弦が切れても即戦力になります。
くれぐれも弦が切れてから替えるのはやめましょう。傷んでないと思っても半年~1年に1回は必ず替えましょう。気づかないうちに弦の体力は落ちていて、そのままだと右手の技術が傷んでいきます。
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