ソウルが大韓民国の首都であるという事実を知らない人は、少なくともこの日本にはいないことでしょう。ソウルの正式名称は、ソウル特別市と言います。ソウルは一つの市であるにも関わらず首都であるため、「特別な市」なのです。現在のソウルが位置する場所は、遠い昔から幾度もその名を変えながら首都であり続けてきました。「ソウル」と呼ばれるようになったのは、1946年以降のことです。
さて、韓国語とそこそこ長いお付き合いをしてきた私ですが、「ソウル」という地名については、あまりにも当たり前過ぎて一度も深く考えてみたことがありませんでした。しかし、最近になって突然ふとある疑問が頭をよぎったのです。韓国の地名の大部分には漢字があるのに、なぜ「ソウル」には漢字がないのだろうか……。韓国語は現在ではほぼ100%ハングル文字のみで表記していますが、実は漢字由来の「漢字語」と純粋なハングルの単語である「固有語」が混在しています。「ソウル」は、多くの地名とは異なり固有語なのです。
「ソウル」の語源については諸説あるようですが(いつも必ず「諸説」がありますよね^^;)、多く言われているものとしては次のような説があります。新羅の都(現在の慶州)を서라벌[ソラボル]と呼んでいたものが、高麗から朝鮮王朝にかけて새벌[セボル]・셔벌[ショボル]へと変化し、最後に서울[ソウル]となったと言われています。大元の서라벌[ソラボル]には漢字があり、「徐羅伐」と書いていたそうです。始まりは漢字語だったのに、なまっていく過程で固有語に変身してしまったとは!!
これは「語源あるある」になりますが、どこの国や地域にも必ず「〇〇がなまって△△になった」説がありますよね。どうしてみんなそんなになまっちゃうのでしょう?!伝言ゲームのように言い間違いや聞き間違いを繰り返している内に変化してしまうのか、はたまた、発音しにくいからと楽な方に流されてしまう私のような귀차니스트[クィチャニストゥ](メンドウクサガリスト?)のせいなのか……。ちなみに귀차니스트[クィチャニストゥ]の語源は、「귀찮다[クィチャンタ](面倒臭い)+ist」ですよ^^