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「一」にこだわる① 小学2年生に「一安心」を考えさせる

Rokosakiya

小学2年生の光村図書出版国語に「どうぶつ園のじゅうい」という教材がある。
作者はよこはま動物園ズーラシア獣医植田美弥さん。この話の中に、「あんしん」という言葉と「ひとあん」という言葉が出てくる。学習時において、是非「安心」と「一安心」という言葉でしっかり立ち止まり、それらがどう違うか、この違いを意識させていくことが大切なことである。

「安心」とは気になるようなことが何もなくて心がやすらかで落ち着いている様子である。

この言葉にひとが付くとニュアンスがどう変わるのか。

「一安心」とは一先ず(ひとまず)一寸(ちょっと)安心することである。

「どうぶつ園のじゅうい」では、ペンギンが餌と間違えてボールペンを飲み込んでしまうが、大急ぎで薬を飲ませて吐かせたため一安心となる。とりあえずこの時点では安心であるという意味である。

「ひとあんしん」という言葉で立ち止まらなければ、子どもは「ペンギンはボールペンを飲み込んだけど、そのあとすぐ手当てをして元気になったのでもう安心だ」と理解してしまう。

立ち止まらなければ子どもは「ひとあんしん」でも「もうあんしん」でも大きな違いを感じない。

「ひとあんしん」である以上、獣医の頭の中には、ペンギンのことが今も気になっている部分があり、今後変わった事態にならないか気に掛けている獣医の姿を読み取ることができるのである。

「ひとあんしん」という言葉に引っ掛かり、立ち止まり、考えることで、文章を深く理解することにつながっていく。

そして「ひとあんしん」という言葉を使って自ら文を作る経験をすることで、「すっかりひとあんしんしていた」などという文に違和感を感じる子に育っていくのである。

 

 

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