「これからは真面目に生きよう!」
と決意するKであった。
地方一番手の共学の進学校なので、
ケンカや不良といったものはほぼ絶滅していた。
真面目に頑張ろうとするが、勉強にはついていけなかった。
教室の席替えで窓側の最後尾になった。
春の陽気に誘われてだんだん重くなるまぶた。
先生の授業はまるで催眠術のようだ。
どんなに固く決意しても睡魔には勝てなかった。
特に英語は酷かった。
挨拶をして解説が始まり、気がつくと休み時間。
授業まるまる睡眠時間と化したのである。
そんなKは音ゲー以外に熱中できるものを見つけた。
そう。バドミントンである。
持久力には自信があってシャトルランは100越え余裕。
マラソンは部内1位。
ただし50m走は9秒台という鈍足。
2年生の先輩は下手で部活にあまりこなかったので、
Kは自主トレするしかなかった。
図書館で本を借りてテクニックを磨いて。
夜は家の前でスマッシュの練習をして。
休日の部活では誰より早くサーブの練習をして。
部内ランキングは8人中7位から4位に上昇。
テクニック&コントロール重視のタイプだった。
部活時間は16:30~19:00の二時間半。
それ以降は学校に残ることができなかった。
部活仲間と自販機でジュースを買って、
帰り道のバス停まで飲むのが日課だった。
疲れた後に飲む炭酸ジュースは格別に美味かった。
そんなある日の帰り道。事件は起こった。
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