塾講師時代の私は、つまらなさそうな顔をしながら渋々塾に来る生徒が可哀想で仕方なかった。
どうにかして笑わせようとしたものだ。
「勉強がわからない」
「学校がつまんない」
社会人の私は仕事が嫌なら転職することもできるが、
子どもにとっての学校は強制収容所に近いかもしれない。
クラスメイトに虐められてても転校することは容易ではない。
学校が苦痛なら塾は面白い場所にしたい。
私と同期の友達でそんなことを思いながら仕事をしていた。
ハロウィンにジャコランタンを彫ったり、面白い話を考えたり。
とにかく、生徒にも笑顔でいてほしかった。
高校部門に移動になり、高校生相手に話すことが多くなった。
高校生は中学生より分別があるが、
親に守られているという点でまだまだ子どもだった。
高校生でも、
「高校がつまんない」
「勉強が全くわからない。もうダメだ」
という生徒は結構いた。
勉強がわからない。高校がつまらない。部活で疲れた。眠い。
『幸せ』というものをどこかに置いてきたような表情をする。
私は、
「しっかり寝て、美味しいものを食べて、ゆっくり休め」
と言った。
美味しいものを美味しく感じなくなったら危険なサインだ。
疲れたときにはカフェインではなく休憩が必要である。
塾講師である以上その場で居眠りする生徒は起こすけど、
家に帰ったらしっかり休んで美味いものを食え、と。
もちろん受験期やテスト前は甘えたことを言えない場合もある。
でも、神経張り詰めたままだと人間はもたない。
休むことは必要であり、美味しいものを食べることもまた必要だ。
最近ネットで「幸せがわからなくなったらこれを食え!」というのがあった。
それがこのかじるバターアイスだ。
食べると口の中にバターの濃厚な味が広がっていく。
なんて罪深い味だろう。ギルティ。
友達が凹んでいたのでこのアイスを食べるように言った。
なかなか探せないらしいが、見つけ次第買うらしい。
別にこのアイス限定でなくてもいい。
スタバの期間限定ラテでもラーメン屋の上位メニューでもいい。
自分が幸せになる味というのを、
頑張った自分へのご褒美にしようではないか!
美味いもの食えよ!
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