中学受験をなぜするのか?
今日は、中学受験の意義についてかいていきたいと思います。
中高一貫校に行った者として、また、実際に中学受験を指導する立場として、
もし、中学受験できる環境があるのであれば、ぜひチャレンジすることをおすすめしたいと思います。
それは中学受験というシステムが、
現実的に考えうる選択肢の中で、おそらく一番費用対効果の高いシステムであり、また一番自己実現しやすいシステムであるからです。
その理由は、
①大学受験で1年の猶予がもらえる
東大・京大といった最難関国立大学や医学部を目指す場合、基礎学習だけでなく、二時試験に向けた勉強の2本だてが必要です。
公立学校の場合、高校3年生の冬でも数学の全範囲すら終わっていないことがあります。
それに対し、中高一貫校はおよそ高2で一通り基礎学習は終えます。
そして残りの時間を、二次試験対策に費やしています。
応用問題に多くの時間を割くことができる中高一貫校は圧倒的に有利です。
公立高校に行くことは、構造的に、ハンデを背負って大学受験をするということです。
その差をひっくり返すのは相当難しいでしょう。
逆にいうと、中高一貫校に進学するということは、いい意味で、大学受験に向けてエスカレーターに乗らせてもらっているということです。
そこでさらに自分で頑張って走ることができれば、ライバルに相当な差をつけて、しかも余裕を持って自分の行きたい進路に進むことができるでしょう。
②中学受験をすると、高校受験のテストは大抵解ける
誤解を恐れずに言えば、中学校3年間の集大成の高校受験のテストは、難関中学校の合格者(小6)に解いてもらうとかなりの高得点を叩き出すと思われます。
公立中学校で習うカリキュラムは、中学受験である意味カバーできています。
そう考えると、中学受験組は、公立中学校の3年を先取りしているともいえるでしょう。
その3年を別の知識習得に使えるということです。
③中高一貫校で、高校編入試験が減ってきている(=学校側も中高一貫教育のメリットに気づいてきた)
実際に現場の中高一貫校でも、高校募集が減っています。
高校は全員中学からの内部進学者のみにする学校が増えています。
学校側も中高6年カリキュラムの方が効率が良いことに気づいてきたのだと思います。
④中学受験で伸びる語彙力・知識量
中学受験組は、
例えば、国語で「ことわざ、4文字熟語、漢字」を叩き込まれます。
それぞれ問題集1冊ずつを頭に入れる必要があります。
その他の、社会、算数、理科でも圧倒的な知識量を叩き込まれます。
必然的に、中学入学前の段階で、中学受験をしていない組に圧倒的な知識差をつけています。
一番記憶力の良い時期に身についた学力は、その後の勉強人生の土台となります。
⑤公立中学校・高校受験の問題点
高校受験では純粋に学力だけでは勝負できません。
内申点の評価があるからです。
ただ、このシステムは先生の主観で決まるため、担任の先生とそりが合わないだけで、学力的に問題がなくても不利になります。
また、運悪く、何らかの事情で学校に行きにくくなってしまった場合、高校入試で大いにハンデになってしまいます。
中学生は多感な年頃です。
それまで元気でも、ふとした拍子に不登校になってしまったり、トラブルを起こしてしまったりという可能性は考えられます。
何かあった時に、極めて不利になるのが高校受験の辛いところです。
高校受験は、自分の努力と学力のみで勝負できない、極めて特異なシステムです。
一回、何か問題を起こししまうと、後々まで引きずります。
例え、成績で挽回したところで逆転するのは難しいでしょう。
高校受験をするということは、そういうハンデを負っていることを知っておく必要があります。
⑥大学受験に向けて、今後より有利になる
中高一貫校は、大学受験に有利。
今までもそれは事実でしたが、今後ますます公立高校組との差をつけていくでしょう。
2021年度の共通テストの問題の傾向を読み解くと、そんな現実が見えてきます。
というのも、
問題が
中高一貫校で、基礎学力、思考力、論理力、表現力を身につけた生徒でないと、東大・京大をはじめとした国公立大学入試で結果を残せないような構成になっているからです。
おそらく、この傾向は今後より一層加速していくでしょう。
どの科目であっても、
・問題文を読む力
・分析する力
・そこから自分で公式を導く力
・読み手に伝える表現力
を要求されていると強く感じます。
まさに今まで、東大・京大受験生が二次試験で要求されていたことを、全員が要求されているかのような問題になっています。
もともと、中高一貫校が得意としていた分野です。
上記のような問題で点数を取るためには、
何となく勉強して、何となくできた気になる学習では歯が立ちません。
実際に、普段から、
・この問題を出した人は何を聞いているのだろう
・何がこの問題の糸口なのだろう
・実際に自分であれこれ考えてみる、手を動かしてみる
・その考えたものを先生なり、友達にぶつけてみる
ことが必要になります。
中高一貫校では、こういったことを学べる環境が、手厚くなっています。
今後要求されるであろう、深く物事を捉えていく勉強には、より専門的な講師や、同じような学力の仲間とそれを許してくれるいい意味で居心地のいい雰囲気が必要です。
途中で受験に煩わされることなく、心ゆくまで、提示された問題と向き合える環境は、中高一貫校ならではでしょう。
もし、中高一貫校に通っているなら、それを生かさない手はありません。
基礎学力を公立組に比べて先取りし、残りの時間で、思考力・論理力・表現力を強化しつつ、自分の好きな部活や趣味にも取り組んでいくことになるでしょう。
その中から、経験を積み、自分の進みたい道も見えてくるでしょう。
中高一貫校の生徒さんは今、自分の手にしている宝物をぜひ生かしましょう。
もし中高一貫校への進学を考え、実際に勉強を開始しているなら、それは、先を見据えた最高の投資かもしれません。
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