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Cafetalk Tutor's Column

wanshan920 講師のコラム

マルチリンガル(七言語)奮闘記。修得の秘密教えます。その1(音感)

2023年2月10日

 私は好奇心に突き動かされて英仏中伊独韓西の多言語レッスンをしています。全てが流暢ということではありませんが、ネイティブの先生との会話や外国映画を楽しんでいます。

 私のIQはいたって凡人、英語の成績もいたって普通で、始めた年齢もアラフィフ。そんな私が、どんな風に多言語と付き合っているか、その秘密をお裾分けしますね。

 さて、私のマルチリンガルのコツをズバリ教えます。それは「寛容な心を持って、言葉を似てるものと、似てないものの大きなかたまりに分ける」ことです。ポイントは「音感」です。

 仲間内でのギャグですが、「富国強兵、柴田恭平」「大正デモクラシー、灯台下暗し」「ニッカボッカ、ヨックモック」って似てない?…と言ったとき、「本当だ!」が正解で、「全然違う!」はアウトです。たぶんその人はマルチリンガルには向いていないでしょう。

 麺は「ミェン(中)」「ミョン(韓)「メン(日)」ですが、「あっ同じ!」と思えるかどうかが分かれ目ということです。

 考古学の逸話です。長い間、古代王国のヒッタイトの場所が分かりませんでしたが、ある学者がハットゥシャという地名に着目して発掘したところ遺跡が出て来たのです。邪馬台国の場所はいまだに不明ですが、以前から大和の国が注目されています。

 もし音を聴いてピンと来なくても、「hitaito<>hatsha」「yamataikoku<>yamato」とローマ字におこしてみると似て来ませんか?音かスペルの雰囲気が2文字程度類似してたら似ているのです。そのあと近いものは一つの箱に入れて、違うものは別々の箱に入れてそれぞれを結びつける作業をします。

 たとえば「ジョン(John英)、ジャン(Jean仏)、ヨハン(johann独)」「チャールズ(Charles英)、シャルル(Charles仏)、カール(Karl独)」を2人と認識するか、6人と認識するかで、記憶の負担が全く違います。

 ヨーロッパ言語に方言があり、中韓日では漢字の音読みの違いがあるのだという感覚がつかめれば、あなたもマルチリンガルになれますよ!

 余談ですが、多言語をやっている私ならではの面白い脳内パニック現象を5つ紹介します。

 一つ目は、レッスン開始後の数分間、前回レッスンした言語が浮かんで邪魔をします。日にちが空いていても同じです。2つ目は、たとえば英語のレッスン中にフランスの地名が出てくると、一瞬頭の中がフランス語になり、英語を邪魔します。3つ目は、普段の会話に出てくる当たり前の日本の人名(例えば徳川家康)が出てこなくなり、それを一度でも話すと、次からは出てきます。4つ目は、ズルしてリスニングをカタカナで書こうとしても、カタカナが出て来ません。五つ目は、リスニング力が高まってきた時、映画の館の字幕が出る前に英語が聴こえてくると、字幕の日本語が頭に入ってこなくなりあわてます。

 でも私は、こうした現象も面白がって、ポジティブにレッスンを続けています。

 (その2に続く)

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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