18世紀の終わり、「自由・平等・博愛」を理念としたフランス革命が起こります。
王政が崩壊し、混乱、不安定な政情が続いていました。
そこに現れたのが英雄、ナポレオンです。
1802年、32歳のベートーヴェンは王政から市民を解放したナポレオンのために曲を書き始めます。
20代後半から難聴に悩まされていたベートーヴェン。
ナポレオンの存在は彼にきっと勇気を与えたのでしょう。
この交響曲を作曲し始めた頃には遺書も書いています。
「新しい時代を切り開く」「過去との決別」のためだったかもしれません。
しかし1804年にナポレオンが皇帝に即位すると、それに対し激怒し、表紙を破り捨てたという逸話があります。
題名が「バナパルト」から「エロイカ」へ変更された交響曲第3番。
のちに、交響曲第9番を作曲中のベートーヴェンに詩人クフナーが聞きました。
「自分の作品の中で最も出来が良いのはどれですか。」
ベートーヴェンは即答します。
「エロイカ」
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