カウンセリングを生活の一部に。
カウンセラーのayakoです。
みなさんいかがお過ごしですか。
今日は「最近読んだおすすめの本」のお話です。
今日ご紹介したいのは、山本文緒さんの『ブルー、もしくはブルー』という本です。
山本文緒さんの本は、これまでも何冊かご紹介してきました。
以前に紹介した本の中には、糖尿日記などもあります。
文緒さんは精神的な病気、たしかうつ病を抱えながら、最終的にはがんを患い、糖尿の末に亡くなられた方です。
その糖尿日記は、文緒さんの苦しみがリアルに綴られていて、私も読みながら涙したほど印象に残っている作品です。
今回ご紹介する『ブルー、もしくはブルー』は、そのような糖尿日記とは違い、読みやすいフィクション作品になっています。
この本のテーマは、「自分にそっくりな人が世の中にいる」という設定から展開していきます。
日本では「自分に似た人が3人いる」とよく言われていますよね。
そっくりな人に出会うと、不運が訪れるとか、運命が交差するなど、いろいろなことが言われています。
この本では「ドッペルゲンガー」という言葉が使われています。
これはドイツ語で「二重の歩く者」という意味で、一般的には自分にそっくりなもう一人の存在を指す言葉だそうです。
私はこの言葉をこの本で初めて知りました。
物語は、ある女性主人公が自分にそっくりな人と出会うところから始まります。
その出会いも不思議で、偶然旅先で元彼を見かけて追いかけていくと、その彼と一緒に歩いていた女性と鉢合わせし、
その女性が「すごくそっくり」と言い出したことで、二人のやりとりが始まります。
やがて二人は「お互いの生活を1ヶ月間入れ替えてみよう」という提案をし、実際に入れ替えて暮らすことになります。
はじめは仲良くやりとりしていた二人ですが、次第に一方がもう一方の生活に嫉妬心を抱き、感情が複雑に揺れていく展開になります。
読んでいてドキドキする場面もありました。
ただ、最終的な結末は落ち着いたもので、読後はほっとするような感覚が残ります。
ボリュームも多くないので、早い方であれば1日で読み終えられる内容です。
気分転換をしたい時に、手に取ってみるのもおすすめです。
この本を読みながら、「自分にそっくりな存在が本当にいたらどうするかな」と想像してみるのも面白いなと思いました。
もしそんな人と出会って、やりとりすることができたら…
私だったら、ずっと連絡を取り合って、お互いの状況を報告し合ったり、相談し合えるような存在になるかもしれません。
でも、近づきすぎるのは少し危険かな、とも思ったりします。
この物語を読んだあと、そんなふうに考えさせられました。
皆さんもこの本を読んだら、「自分の分身」「ドッペルゲンガー」について、考えてみたくなるかもしれません。
今日は「最近読んだおすすめの本」のお話でした。
では、またお会いしましょう。
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