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「合格じゃないと泣いてしまう生徒」の話
母もピアノ講師をしているのですが、
先日こんなことを話していました。
「レッスンのたびに“合格させてくれないともう弾かない”って泣く生徒さんがいて…
でも、譜読みも指遣いもめちゃくちゃで、どうしても合格にはできないのよ」って。
実は、私の教室にも似たようなタイプの生徒さんがいます。
“できない自分”に耐えられなくて、
合格という形でしか前に進めない子。
それを聞いて、私はこう答えました。
小さなお子さんには、
譜読みがごちゃごちゃになるほど難しいテキストは使わないようにしているよ、と。
少し背伸びをした方が上達が早いこともあるけれど、
無理に難しい曲を与えて「自信を失わせてしまう」方が怖いなと思っています。
だから私は、
曲を短くして、たくさんの曲に取り組んでもらうことが多いです。
ひとつひとつ「合格できた」という体験を積み重ねていくと、
自然と「やってみよう」という気持ちが育っていくように感じます。
ワークブックも使います。
読む・書く・理解する、を一緒に育てることで、
少しずつ「音楽を読む力」が身についてくるからです。
私自身、以前は「正しく弾くこと」や「理想的な指使い」にこだわりすぎて、
目の前で一生懸命がんばっている気持ちを見逃してしまったこともありました。
でも、子どもたちが少しでも「できた」と思える瞬間があれば、
それをできるだけ大切にしたいと思っています。
自信って、本当に一瞬で壊れてしまうものだから。
また次回、
がんばりすぎて疲れてしまった子の話も、書けたらいいな。
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