ハロウィンのフランス語は?
フランス語でハロウィンはToussaint(トゥーサン)
「すべての聖人」という意味で、日本語の定訳は「万聖節」
英語のHalloweenの元となったAll Hallowsも同じ意味合いです。
フランスの伝統としては、11月1日はキリスト教カトリックの「すべての聖人」を記念する日。10月31日はそのイヴです。
現在は「アメリカ流のハロウィン」という意味でHalloweenと言うこともありますが、ご注意!
フランス語ではHは発音されないので、「アロウィン」となります 。
フランス人はハロウィンに何をするの?
10月の終わりから11月の初めにかけて、学校は2週間ほどお休みになります。
11月2日は「死者の日」となっていて、この時期にお墓参りをする人も多いようです。現在は、単にレジャーに出かける人も多いです。その点では「お盆休み」に似ているかもしれません。
フランスでもお隣のベルギーでも、カボチャのランタンや仮装行列はあまり見られません。日本の方が多いくらいでしょう。
少なくとも、10年ほど前にパリにいたころ、子どもたちだけで家々を巡ってお菓子をもらうのを見たことはありませんでした。一度近所のお子さんが、お母さんと一緒に家に来たことがありましたが、珍しいです。
ハロウィンに比べると、フランスでは春のイースター(復活祭)の方がずっと盛んです。
私は日本にいた70年代頃から、スヌーピーやチャーリーブラウンを通してハロウィンに馴染んでいました。そこで我が子が小さかったとき、不器用ながらなんとかカボチャに目と口を開け、中にキャンドルを灯してみました。子どもは喜んでくれましたが、周りのフランス人は誰もやっていませんでした。

ハロウィンはどこで誰が始めたの?
ハロウィンを発明したのは、チャーリーブラウンでもなければカボチャ大王でもありません。
この日を「すべての聖人の日」としたのは確かにキリスト教徒でしたが、そのずっと前からケルトの秋のお祭りでした。
ケルト人はもともとヨーロッパに広く栄えていたそうです。しかし、ローマ帝国に征服されてある者はローマ化し、ある者は現在のイギリスやアイルランドに押しやられていきました。カエサル(シーザー)が現在のフランス辺りを征服したのは紀元前1世紀。
カボチャのランタン、Jack-o’-lanternの元になった昔話は、アイルランドなどケルト人の間で語り伝えられていました。

Jackとは、しょーもない飲んだくれの上、性格も悪く、死んでから天国はもちろん地獄にも入れなかった男。どうにか悪魔に石炭のカケラをもらって火を点けると、落ちていたカブで提灯をこしらえて中に入れ、夜道を照らしながら最後の審判の日まで彷徨い続ける…
ん?
最後の審判?
この話は、ケルト文化とキリスト教が入り混じっているようですね。
で、カボチャじゃなかったんだ…
カボチャもトマトもイモもなかったヨーロッパ
そう、最初はカブだったのですね。ヨーロッパにはもともとカボチャはなかったのですから。カブだとまるで本物のミイラのようで、迫力ありますよ。といっても、作ったことがあるわけではありません。古い写真で見ただけです。カボチャよりもっと彫るのが難しそうですね。
カボチャもトマトもジャガイモも、アメリカ大陸からもってきたもの。ヨーロッパに入ったのは16世紀のことです。
想像してみてください。
トマトソースの無いイタリア料理、ジャガイモのないフランス料理。
過去は外国とはよく言ったもので、まるで別の国のようです。
「伝統的な」ヨーロッパ料理と言えば、必ずトマトやジャガイモが活躍しているのですが…
ちなみに、日本にカボチャを持ってきたのはポルトガル人ということで、ヨーロッパ経由です。
現在のようなカボチャのランタンは、アイルランドやスコットランドからアメリカに移住した人々が作ったものだそうです。アメリカではカブよりも入手しやすかったということですが、カボチャの方がカラフルでユーモラス。子どもたちも喜びそうですね。

ケルト文化はフランスにも
フランスにもケルト文化が色濃く残っている地方があります。
それは北西部のブルターニュ地方。
「ブルターニュ」とは「大きく平ら」を意味するケルト語だそうです。
フランス語でイギリス本島(イングランド、スコットランド、ウェールズ)を「グランド・ブルターニュ」Grande Bretagneと言うことがありますが、これは大きいブルターニュという意味。英語のGreat Britainにあたります。逆にブルターニュのことは英語でBritannyやLittle Britainと言います。
え。
フランスから見たらイギリスは大きなブルターニュにすぎず、イギリスから見たらブルターニュはイギリスの一部なの⁇
まあともかく。イギリスとフランス北部には古くから人の行き来があり、4世紀から6世紀にフランス北西部に移住したケルトの民も多かったとか。どうやらブルターニュでも、昔はカブのランタンが作られていたようですね。
ブルターニュにはケルト語に起源を持つブルトン語という言葉もあり、今も学校で習うことができます。
フランスで顔を隠すと罰金?!
さて、フランスでは2010年に、公共の場で顔を隠すのを禁じる法律ができました。
例外として認められているのは、健康上の理由、職業上の理由、スポーツ競技で必要な場合、そして芸術的・または伝統的なお祭りの場面です。
ムスリムの人も、公共の場(道、交通機関、区役所、学校など)では顔を覆っていません。宗教施設内では、たとえ公共に開かれた施設でも、顔を隠してOKです。もちろん、髪の毛を覆うのはどこでもOKです。
お祭りであれば顔を隠してもいいので、ハロウィーンのときは大丈夫なのかな?それともアメリカ流のハロウィンは伝統的とは言えないかな?
微妙ですね…
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