この写真を見てください。
明らかに色々おかしいですね。
でも、きちんと指導を受けられず、何年も習ったのにこの状態でレッスンにいらっしゃる方、実際にいます。
さて、自分が先輩や指導者としてアドバイスする場合、みなさんならどう言いますか?
どこから始めますか?
理想像として、よく見るお手本の写真はこんな感じですね。
差分としては、
左手の手首
左肘
左手の指
楽器の向き
顔の向き
猫背
右手の肘
右手の指
弓の傾き
弓と弦の交差角度
などなど。
もし、
こんな感じで構えて!、と見本を見せたなら、それはすごく雑なアドバイスです。
もっとも、僕自身がそんなに出来が良い方ではなかったので、教わるときの気持ちもわかりますが…
初めは、いろんなことをいっぺんにはできません。困難は分割して、一つずつ気をつけることを増やしていくことも必要です。
じゃあ、一つだけそのレッスンで気をつけて治すとしましょう。※あえて「治す」と書いています。
あなたなら何を指摘しますか?
僕の思う正解は
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
↓
バイオリンの角度です。
バイオリンを置く場所と向き。
なぜならば、楽器の角度を治さなければ、右手はずっと間違ったまま練習することになります。
指や手首、肘もおかしいですが、楽器の位置を治す中で個人の身体に合わせて調節が必要です。
でも、
実際には楽器の位置を治しましょう、だけでは不十分です。次回のレッスン以降で改善する可能性は低い。
なぜならば、そうすべき理由がわかってないから、違うことをしている場合があるからです。
理由を知らないまま、言われた通りやっても、教わる側は自分の感覚を信じて良いか不安になります。
ここまではできてるから〜という判断も怪しいです。そこまではできているけれど、その途中になにかあるから、つまづいているんです。それまでその何かが表面化する課題をだしてなかっただけ。
楽器から音を出すのは物理現象です。
音程も音色も音量も、すべて振動のコントロールです。振動をコントロールするためには、アクセルやブレーキ、ハンドルの前に、センサーやメーターが必要です。
そこを抜かして、表向き、見た目だけ正しそうに修正すると、数年後、大きな壁になります。最悪の場合、うまくいかない自分を受け入れられない、つまらない、もういっか…挫折経験となります。
構えた見た目や演奏がそれなりだとしても、実は将来壁になるチリツモをやっている場合が多々あります。
勤勉と根気がある人なら、落ちこぼれない、必ずやり直せる。そういうレッスンのためには、生徒さんの頭の中で、生徒さんの感覚で…何が起こっているのか、診る力が大事だと考えています。
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