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注意書きは「赤」でよい? ユニバーサルカラーのこと

Kaorina

PowerPoint、Word、Excel講師のkaorinaです。

 

少し前のコラムで、ユニバーサルフォントについて書いたので、今日はユニバーサルカラーのことを。

 

PowerPointやExcelなどで資料を作るとき、色はとても便利な情報伝達の手段です。

でも、色の見え方は人によって異なり、同じ色でも区別しにくい場合があります。

この「色の見え方の多様性」を前提に、誰にとっても伝わりやすい配色を考えるのが ユニバーサルカラー(カラーユニバーサルデザイン)です。

 

日本では、生まれつき色覚特性をもつ方が一定数いらっしゃいますし、白内障などの疾患や加齢によって色の見え方が変わる方もいます。

つまり、色の工夫は「特定の人のため」ではなく、すべての人に情報を伝えるための重要な配慮といえます。

 

赤と緑、青と紫、緑と茶色など、区別しにくい色の組み合わせがあります。

もし資料の情報が「色だけ」に依存していると、必要な情報が伝わらない可能性があります。

 

 

たとえば、イタリアの国旗(左から緑・白・赤)も、人によっては赤と緑が同色系に見えているのです。
 

Excelのグラフ、チャート、地図、PowerPointの図解、 レッスン資料、オンライン教材など、色は多くの場面で使われています。

 

色が判断できなければ、「誤解」や「情報の抜け落ち」が起こりやすくなります。

 

では、どうしたら見やすい資料になるかというと…

 

① 色だけで判断させない

・線の種類

・アイコン

・模様やパターン

・ラベル(赤・青などの文字)

これらを併用することで、色が区別しにくい人でも理解しやすくなります。

 

② 明度差・コントラストを十分に取る

淡い色同士の組み合わせや、近い色味の組み合わせは避け、明るさや濃淡の差をつけます。

 

③ 情報の優先順位を整理して「絶対に色に頼らないと成り立たない」設計にしない

色はあくまで補助的な役割として使い、形・位置・文字など、複数の手段で内容を伝えます。

 

 

だから、よくExcelやPowerPointの研修の色指定の指示で登場する、「モノクロパレット」は実は誰にとっても伝わりやすい濃淡のセットなわけです!

 

 

ユニバーサルカラーがもたらすメリットをまとめてみると…

 

•誰にとっても見やすい資料になる

•情報の誤解・読み違いを防げる

•高齢者や弱視の方にも配慮できる

•プレゼン資料やレッスン教材の質が向上する

•学習者の理解度が安定し、認知的な負担が減る

 

つまり、ユニバーサルカラーは「優しい配慮」というより、“伝わる”資料を作るための基本的な考え方 といえます。

 

でも、どの色とどの色を合わせると見にくい人がいるのだろう…って、なかなか覚えられないですよね。

 

そんな時は、色の見え方を確認できる「色のシミュレーター」というアプリで配色の確認にをするのがおすすめです。

 

色覚特性によってどのように色が見えるかを実際の画面で確認できます。(実際にその色に見えるというわけではなくて、こういう見え方になるということ)

(App Store:色のシミュレーター

https://apps.apple.com/jp/app/%E8%89%B2%E3%81%AE%E3%82%B7%E3%83%9F%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%BF/id389310222 )

 

資料作成のときだけではなく、普段から「色の見え方は人によって本当に違う」という視点を持っておくことが大切なんだなぁ〜と思います。

 

そのうえで、誰もが見やすい画像や資料作りを意識していきたいものですね。

 

 

《参考》

色覚には、一般的な「C型(常染色覚)」と、色の識別が難しいとされる「P型(1型)」「D型(2型)」「T型(3型)」があります。

 

C型色覚(Common / 一般型)

赤・緑・青の3種類の錐体すべてが機能する一般的な色覚で、多くの人々がこのタイプで、日本人男性の約95%、女性の99%以上が該当する。

P型色覚(1型)

赤に敏感な視細胞(L錐体)に機能不全があるタイプで、赤と緑の識別が難しいとされる。

D型色覚(2型)

緑に敏感な視細胞(M錐体)に機能不全があるタイプで、赤と緑の識別が難しいとされる。

T型色覚(3型)

青に敏感な視細胞(S錐体)に機能不全があるタイプで、黄色と青紫などの識別が難しいとされる。(頻度がごく稀)

专栏文章仅为讲师个人观点,不代表 Cafetalk 立场。

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