日本語・韓国語講師の Hayoung_Eiko です ^ ^
体調を崩した友人に、私たちはよく
「お大事に」
と声をかけます。
誰かを応援したいときには、
「頑張って」
と言うこともあります。
短い言葉ですが、
そこには相手を気遣う気持ちが込められています。
では、
韓国語ではどうなのでしょうか。
韓国語を勉強し始めると、
比較的早い段階で
화이팅!
힘내세요.
という言葉を覚えます。
どちらも相手を励ますときによく使われる表現です。
私自身も長い間、
「韓国語で応援するときは、この二つを使えば大丈夫」
と思っていました。
でも実際に韓国の人たちと長く関わるようになると、
それ以外にもたくさんの励ましや慰めの言葉があることに気づきます。
そして、その多くは、
相手を前へ押し出す言葉というより、
そっと寄り添う言葉でした。
例えば、
日本語の「お大事に」。
とても便利な言葉ですが、
韓国語にはぴったり一語で対応する表現がありません。
その代わり、
状況に合わせてさまざまな言葉が使われます。
빨리 나으세요.
(早く良くなってください。)
빨리 나아지시길 바랍니다.
(早く良くなられますように。)
몸조리 잘 하세요.
(お体を大事になさってください。)
どれも相手の回復を願う言葉ですが、
そこには
「早く元気になってほしい」
という気持ちが自然に込められています。
また、
좀 덜할 거예요.
(少し楽になりますよ。)
という表現もあります。
「もう大丈夫ですよ」
と言い切るのではなく、
「少しは楽になりますよ」
と伝えるところに、
どこか韓国語らしい優しさを感じます。
私が特に印象的だと思うのは、
韓国語にはまず相手の気持ちを受け止める表現が多いことです。
例えば、
많이 힘드셨겠어요.
(本当にお辛かったでしょうね。)
속상하셨겠어요.
(おつらかったでしょうね。)
얼마나 놀라셨겠어요.
(どれほど驚かれたことでしょう。)
これらは、
何か解決策を伝えているわけではありません。
「こうしたらいいですよ」
と助言しているわけでもありません。
ただ、
「大変でしたね」
「辛かったでしょうね」
と、
相手の気持ちを受け止めています。
考えてみると、
人はいつも答えを求めているわけではありません。
悩んでいるときも、
悲しいことがあったときも、
まずは気持ちを分かってもらいたいことがあります。
そんなときに、
韓国語のこうした表現は、
不思議なくらい温かく感じられるのです。
시간이 해결해 줄 거예요.
(時間が解決してくれますよ。)
という言葉もあります。
すぐに前を向かなくてもいい。
無理に忘れなくてもいい。
時間が少しずつ解決してくれる。
そんな優しいまなざしが感じられる言葉です。
そして、
メッセージでよく見かける
토닥토닥
という表現。
日本語にぴったり対応する言葉はありませんが、
誰かの肩をそっとたたきながら、
「大丈夫だよ」
と伝えるような感覚でしょうか。
たった四文字なのに、
そこには励ましたい気持ちが詰まっています。
韓国語の励ましや慰めの言葉を見ていると、
「頑張って」
よりも、
「辛かったでしょうね」
「大変でしたね」
という言葉をよく見かけます。
相手を前へ押し出す前に、
まず隣に座って話を聞く。
そんな姿勢が感じられる気がするのです。
外国語を学んでいると、
知らない単語や表現にたくさん出会います。
でも時々、
その言葉の意味だけではなく、
その言葉を使う人たちが大切にしているものに出会うことがあります。
相手を急いで元気にしようとするのではなく、
まずは
「辛かったでしょうね」
と気持ちを受け止めること。
前へ進むことを促す前に、
隣に座って話を聞くこと。
韓国語の励ましや慰めの言葉には、
そんな優しさが息づいているように思います。
そして私もまた、
誰かを励ましたいとき、
すぐに答えを探そうとするのではなく、
まずは相手の気持ちに耳を傾けられる人でありたい。
もしかすると、
言葉の本当の力は、
相手を変えることではなく、
相手に寄り添うことなのかもしれません。
韓国語の言葉たちは、
そんなことをそっと教えてくれるのです。
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