日本語・韓国語講師の Hayoung_Eikoです ^ ^
以前、日本人の韓国語学習者さんから、
こんな話を聞いたことがあります。
「韓国の方って、ストレートで正直なイメージがあります」
なるほど。
たしかに、韓国のドラマやバラエティー番組を見ていると、
気持ちや意見をはっきり言葉にする場面が多いように感じます。
そして今日、ある先生との韓国語レッスンで、
日本と韓国のコミュニケーションの違いについて話しているうちに、
この言葉をふと思い出しました。
韓国の方は、本当にそんなにストレートなのでしょうか。
もちろん、人の性格や話し方はそれぞれです。
いつでも誰に対しても、
ドラマのセリフのように感情を伝えるわけではありませんよね(笑)
親しい友人なのか、仕事で会った人なのか、
それとも、まだあまり親しくない相手なのか。
相手との関係やその場の雰囲気によっても、
言葉の選び方は変わります。
「韓国の方はストレート」というイメージは、
少し大きく捉えられすぎているのかもしれません。
そして先生との話は、韓国語の「お世辞」や「社交辞令」へ。
そこで出てきた言葉の一つが、
빈말
でした。
直訳すると「空っぽの言葉」。
心からそう思っているわけではなかったり、
言葉のとおりに行動するつもりまではなかったり。
そんな、実質の伴わない言葉を表します。
たとえば、
다음에 밥 한번 먹어요.
(今度、一度ご飯を食べましょう)
韓国でも、本当に食事に誘っている場合もあれば、
軽い挨拶として使われることもあります。
ここに、
기회가 되면
(機会があれば)
が付いたら、実現の可能性は少し低め。
さらに、
언젠가
(いつか)
が付いたら、私はほぼ完全に社交辞令だと受け取ります(笑)
もちろん、人によるかもしれませんが(笑)
私自身、韓国の方から、
저는 빈말을 잘 못 하는 편이에요.
(私はお世辞や心にもないことをあまり言えないほうです)
と言われたこともあります。
でも私は、少しひねくれているのでしょうか。
こう言う人ほど、実は上手にお世辞や社交辞令を言うのでは……?
なんて、ほんの少し疑ってしまいます(笑)
ちなみに、빈말と似た表現に인사치레があります。
인사치레は、相手との関係を考えて形式的にする
挨拶や社交辞令のこと。
그냥 인사치레로 한 말이에요.
(ただ社交辞令で言っただけです)
一方、겉치레は、中身よりも外側を立派に見せることを表します。
겉치레뿐인 행사
(形だけの行事)
겉치레에 신경 쓰다
(見た目や体裁に気を使う)
つまり、
빈말は、実質の伴わない「言葉」。
인사치레は、人間関係の中で交わす「形式的な挨拶」。
겉치레は、中身よりも外見や形式を整える「見せ方」。
似ているようで、それぞれが見ているところは
少しずつ違います。
「韓国の人は何でもはっきり言う」と思っていたら、
韓国語にもちゃんと빈말や인사치레が。
そして「今度ご飯を食べましょう」という一言にも、
実現しそうな“今度”と、少し遠そうな“いつか”が……!(笑)
同じ言葉でも、誰が、誰に、
どんな関係の中で伝えたのかによって、
その温度は変わります。
辞書に載っている意味だけでなく、
その奥にある気持ちまで想像してみる。
そんなところにも、
ことばを学ぶ面白さがあるのかもしれませんね ^ ^
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