いつの間にか、僕は彼女に惹かれていた。
いつも明るく笑顔の彼女は眩しくて、
話していると時間を忘れるほど楽しかった。
ついに意を決して、彼女を屋上に呼び出し、告白を――。
できたらよかったけれど、そんな大胆なことができるほど、
僕は勇気のある人間じゃなかった。
だからどうしたかというと、理科の授業中にこっそりラブレターを書いたのだ。
理科のナカオ先生は高齢で、
授業中の監視が甘いことは事前にリサーチ済みだった。
長文を書くのは恥ずかしいし、何より僕には文才なんてものはない。
下手な文章を書いて笑いものにされるのも嫌だったから、
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