僕は慌てて訂正して、正直にウキのことを話した。
すると、彼女は何を思ったのか、その話をそのまま本人に報告してしまった。
結果、僕の脈なしの片思いはあっけなく砕け散った。
まあ、正直言えば、玉砕するのは分かっていた。
僕はどちらかと言えばブサイクだし、運動オンチで、昔からいじめられっ子だった。
こんな僕が恋をするのは勝手だけれど、相手にとっては迷惑だろう。
だから、もう恋は諦めよう――そう思っていた。
ところが、彼女はなぜか僕に恋愛の話を持ちかけてくるようになった。
オックンとユミチャを応援するための口実かと思ったけれど、どうやらそれも違うらしい。
彼女の思考回路が僕にはさっぱり分からなかった。
気づけば彼女との会話が日常になっていた。
手紙を書いたり、長電話をしたり。
そのほとんどはクラスメイトの恋愛話だったけれど、
恋愛に疎い僕にとっては新鮮で面白かった。
彼女はバスケ部のエースで、運動神経も抜群。
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