ビックリしちゃう!能狂言の舞台裏(本番とリハーサル編)

wanshan920

「一期一会(いちごいちえ)」という言葉を聞いたことがありますか?
 意味としては,「せっかく初めて会ったのに,それは最後」ってな感じですね。能の世界では,ひとつの演目が本番一回公演の形式で,リハーサルは1回だけなんです。びっくりしませんか?
まず,細かいお話しをする前に,能の構成を説明しておきます。
 演劇なので,登場人物(基本は①主人公「シテ」,②脇専門役者「ワキ」,③狂言師「アイ」の計3名,④小道具・大道具や舞台設備{「シテ」のグループが担当})で構成されます。
 そしてミュージカルなので,楽器(「ハヤシカタ」⑤太鼓,⑥大鼓,⑦小鼓,⑧笛の計4名),バックコーラス(⑨「ジウタイ」能役者のグループが担当の10名程度)は必須です。
 古典芸能ですので,脚本や楽譜をいじることはありませんが,「シテ」「ワキ」「アイ」「太鼓」「大鼓」「小鼓」「笛」ごとにいくつかの流儀があり,それぞれ独自の脚本と楽譜を持っています。そしてそれらが組み合わさって,はじめてひとつの舞台が完成されるのです。またこの組み合わせは,「シテ」の注文で事前に決まります。
 なにごともそうですが,練習があり,さらに役者や演奏者やスタッフが集まって,事前に細かな打ち合わせをしますが,能の世界では,それを2時間程度の本番直前の一回だけのリハーサル(「申し合わせ」)だけですませます。
 そして驚くべきことに,前述した役割数字①~⑨の人たちは別々に練習や準備をして,いきなりリハーサルで会い,いきなり本番をむかえるのです。
 そこに独特の真剣勝負が生まれ,高度が芸術が生まれるのです。
(クニオ)
 
本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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