ブラックジャー イエロー!
※この物語はフィクションであり、
実在の人物・団体・事件とは一切関係ありません。
塾にはいろんな経歴の人がいた。
東北大卒、弘前大卒。
あるいは元教師や現教師。
一つだけ共通点があるとすれば、
みんな等しくワケアリ物件講師だということ。
イエローは英語講師を目指していて教えることに興味があった。
即戦力にはならなかったが、育てれば戦力になると上は判断した。
基礎から教育されていた。
教室の準備や掃除、生徒への挨拶、電話対応。
真面目で頑張っているが電話は中々取ってくれない。
マニュアル人間で臨機応変に行動することができなかった。
声が小さく発声指導を受けていたが続かなかった。
塾講師で教壇に立つ以上、声が小さいのは致命的。
何人かイエローに発声指導したが、イエローはやる気がない。
指導する方も手取り足取りとはいかなかったようだ。
イエローと同時期に2人が講師として入社、
一番長く続いたイエローは5年で退社。代謝が早い。
さらに言えば、1週間で塾を見限って辞めた講師が2人いる。
そんな中でよく耐えた方だ。
イエローと呼んでいるのは、カレーが好きそうだから。
食堂でかなりの確率でカレーを食べていた。
「イエロー、またカレー食べてる!」
と生徒にも笑われていた。
そんな食べることにしか興味なさそうなイエローが、
生徒に一番人気だった。生徒もからかって遊んでいたのかもしれない。
イエローは今どこで何をやっているのだろうか?
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