アートマン

Makoto ATOZI

毎朝6時にウオーキングを兼ねて近所のマクドナルドへ向かい、ホットコーヒーをいただいて、インド哲学関連の書籍聖典などを読書してくることが日課になっています。

帰路でカーディーラーさんのディスプレイを見て、車の造形美にハッとしました。
流れるような流線型。色の輝き。存在感。
なんて大きな芸術品なんだろうと思った。

大量生産でもあることから、多くの技術は機械により支えられているとはいえ、あのように大きな芸術品であり、しかも道具としても優秀なアートを見てしまうと、世の中の芸術家と名乗る人たち、アーティストはなんと言うのだろうと感じてしまう。 
お茶碗を一つつくって、美しいと言いながら、あの高層ビルディングの造形美についてはなんと思うのかと考えてしまう。

それでも神は細部に宿り、あらゆる物質には物質原素とおなじように霊性と神性が宿っている。

芸術家といわれる人々はそれを創り出すがために切磋琢磨している。

それでは音楽はどうなのかと考えてみる。
音楽は物質ではない。
思考は物質であると言う観点から言えば音楽も物質かもしれないけれど、それはさわれないし匂いもない。

この空間の中で音楽はどの位置にあるのか。僕たちはそれを知らない。
匂いは微細な物質であるというから、それともまた違う場所にある。
たとえば空間には想念があり、霊性があり、神性があり、知性(叡智の泉)があり、まだまだ様々にあるのでしょう。
そうして音楽はどのようにこの空間を占めているのか。
少なくとも届く距離は限られている。

この空間的性質に芸術性を与えるものは何か。

ヨガ哲学では僕たちの性格的傾向(原理物質 プラクリティ)と真我(プルシャ)は異なり、この両者の混合が人生に混乱をもたらしているといわれています。

真我はアートマンとも呼ばれ、僕たちは、このアートマンに出会うためにこの人生を生きているという考え方もある。 

アートマンの綴りはAtmanであり、Artではないけれど、この両者は無関係ではないように感じられる。

世界はAtmanにより創造され、僕たち自身もこのアートマンの一部であるとされる。
天は世界最高のアーティストでもある。

マグカップが空であれば、 マグカップの中にある空気は外気と分離されてはいない。
マグカップが割れれば、全世界の空気と一体になる。

そんな空間へと僕たちは音楽を創造することがある。
そして一時的に空間へと行為を行う。

それが天への祝福であればいいと思う。
人生への祝福であればいいと思う。
恋愛を良きものにする泉であればいいと思う。

世界を見渡せば、あまりにも果てがない。
想像を超えたアーティストは上には上がある。

だからこそ信念を持ち続けていたい。
それがたとえ笑われるようなものであったとしても、元々がこの世界は果てがない。

思い上がりこそが身を縮めてしまうものだと、今日、僕は美しい車の造形美と高層ビルディングのようなホテルの外観の造形美に思ったのでした。

世界は素晴らしいものなのだなと感じます。

小さな小さな自分として、何ができるだろうと、考えるばかりです。
だけれどそんな小さな僕たちも、マグカップの中にある空気のように実際は全部で一体となって、この世界を創り上げている。

なんとも素晴らしいことだろうと思います。

生きとし生けるものに皆幸あれ。

Makoto ATOZI
本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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