バイオリンを楽しむヒント〜脱力の味方”輪ゴム”

中村勇太

脱力・・・よく言われることですが、
それが具体的にどういう動きや形に現れるのかを知らなければいけません。

 

例えば、寝る時に手をじゃんけんのパーにするでしょうか?

 

じゃんけんのパー状態だと、指の関節は全開、水かきもピンと張ります。

まさに手が緊張している状態です。

 

指の関節が必要以上に開き、指同士が離れていくと手は緊張するのです。

 

つまり脱力とはその反対でしょう。

関節をやや閉じ気味でリラックスさせ、指同士を近くに位置させます。

 

20代の前半ごろ、自分で言うのもなんですが…
圧倒的な音量で演奏できた反面、15分以上の曲になると「右手を攣る」症状にたいへん悩みました。

 

指は見た目では丸かったはず。

でも、手の感覚がなくなり、悪い意味で腕力で弾いていました。

 

手の感覚がなくなるというのは、弦をつかんだ毛の感触を失うと言うことです。

弓の重さだけを感じます。弓に振り回されます。

 

自分の手がやや大きいせいもあるのですが、
指同士を離しても指の関節はある程度丸くできていました。
見た目判断…これがおおきな勘違いでした。

 

改善のため一回、全部の指をくっつけてしまえ!と試したところ、全く音が出ません。

そう、方法を変えると言うことは、ある程度できたことを一回リセット、更地にすると言うことです。

 

でも、結果的に弦を掴む感覚、弓が弦の反動で浮く感覚、
再度重力に従って弓が弦上に着地する感覚・・・全部を再度ゲットしました。

 

そのときに「自覚」しながら練習するために頼ったのが”輪ゴム”です。

 

ヘアゴムでも構いません。
特に試してサイズが合わない人は、
紐状で売っているヘアゴムを買ってきていいサイズで結ぶといいと思います。

 

弓の重さ腕の重さが抜けにくい中弓からスタートして、
段々と色々な弓使いを試していきます。


正しいことを丹念に〜。

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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