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Cafetalk Tutor's Column

Hiro A 講師のコラム

緑の手、赤の手、黄色の手

今週のテーマ: この春、何を楽しみにしていますか?

2024年3月7日

田舎暮らしを始めて数ヶ月。引っ越し先の家で、初めての春を迎えようとしています。
長く手入れされていなかった庭は、枯れ草と枯れ葉でいっぱいで、これは何の植物だろう?と思いながら、枯れた部分を剪定したものも多くありました。
暖かな日もちらほら訪れ出した今日この頃、庭はこの2〜3週間で大きく様相を変え、色とりどりの小さな花がそこかしこに咲き、スイセンの鮮やかな黄色が目に眩しく、やっと春が来る!という喜びでワクワクしています。

昔、サボテンですら枯らすほど、植物には全く興味がありませんでした。 水をやる習慣がないので、すぐその存在を忘れてしまうのです。母は植物が好きな人で、アパート住まいでも鉢植えの花や観葉植物を幾つも育てては増やしているのを見て「すごいな〜、でも自分には無理」と、完全に自分とは関係ないものとして植物を位置付けていました。それが、フランスに住み出して数年経ち、友人から植物をもらったことをきっかけに、日々の暮らしに「水やり」が定着し、ベランダで野菜を育て始め、アボガドやレモンなどを種から発芽させてみたり、母のように植物を自分と関係のあるもの、興味の対象として扱うようになりました。

植物を育てることに長けた人をフランス語で「avoir la main verte(緑の手を持っている)」 と言いますが、日本語でも同様の表現があり、さらには逆の才能を持つ昔の私のような人を「赤の手を持つ人」と言うようで、現在、自分の手は赤から緑へと変化している途中なのかと思ったり。信号のように、赤と緑の間の「黄色」の状態かもしれません。 
いつか母のように緑の手を持つことを夢見つつ、この春は庭の植物たちと存分に触れ合いたいと思います。 

本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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