愛情あふれる人々|光る君へ

Fukumaru

NHK大河ドラマ「光る君へ」を毎週見ています。

今回は、三者三様の思いがあふれる回でした。

主人公のまひろ(のちの紫式部)は、石山寺で偶然、ソウルメイトの藤原道長に出会います。語るうちに思いがつのり、関係を持ちます。お寺でいいのかどうか分かりませんが、そもそも不倫なので、それは問題ではないのかも。その結果、まひろは出産します。

まひろの年の離れた夫、藤原宣孝(のぶたか)は、自分の子でないことにすぐに気付きますが…
別れるべきではと悩むまひろに、「だれの子でもよい、わしの子じゃ。いっしょに育てよう」と熱心に語りかけます。いや、だれの子でも良くはないのですが、なぜか感動的な場面でした。
そこまで想ってもらえるのは幸せですが、現代ではこれは通用しませんね。

一条天皇はあいかわらず、いちど出家した定子に夢中です。出家して御所に入ってはいけない定子が妊娠すると、恐縮する定子を慰め、安心させようと言葉を掛けます。こちらも道ならぬ恋なのですが、まっしぐらです。

最後は、一条天皇の母親、詮子(あきこ)です。彼女は道長の姉でもあり、これまで息子を天皇として厳しく育て、道長の出世を画策し、政治を陰で支えてきました。
ですが、息子である一条天皇に、彼女の愛情は理解されず、激しく突き放されます。親子の断絶の場面でしたが、どちらも悪いとは思えず、身分と政治に翻弄された二人の悲しい結末に思えました。

ということで、登場人物のだれもが愛情深く魅力的なのですが、今回は、その愛情があふれて消化不良になりそうな…とても平安時代の物語とは思えない、現代劇のようでした。


唯一、ああ、平安時代だったと思ったのが、音楽のこと。
まひろの夫が、大役を仰せつかったと言って、11月に神楽の人長をつとめると言っていました。

今でも毎年、11月下旬に皇居で御神楽(みかぐら)が奉納されます。その最後の演目が人長舞(にんじょうのまい)というもので、篳篥(ひちりき)や笏拍子(しゃくびょうし)、和琴(わごん)などの伴奏で歌を歌い、舞を舞います。

まひろの夫は、その舞を担当することになったということだと思います。
さりげなく細かい雅楽情報が織り込まれていて、見るのをやめられません。

長くなりましたが、お付き合いありがとうございました。また書かせていただきます。
本コラムは、講師個人の立場で掲載されたものです。
コラムに記載されている意見は、講師個人のものであり、カフェトークを代表する見解ではありません。

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